Apple Keyboard Collection

 複数のMacを所有していると、自然にキーボードも色々な種類が集まってきます。
それらは、年代ごとに外観や仕様が各々異なるキーボードです。
品質の良さに定評のあるアップル純正品といわれていましたが、
コストダウンにより、キータッチの悪い製品が作られた時代もありました。
純正キーボードには、今日に至るまで、
Macの機能に合わせた、数々のバリエーションが存在します。
それはMacとともに歩んできた、進化の過程とも言えるでしょう。

 その全てをKazzyが所有している訳ではありませんが、
代表的なものをいくつかご紹介します。



[1] Apple Macintosh Keyboard

[2] Apple Desktop Bus Keyboard
(Apple II GS Keyboard)


[3] Apple Keyboard

[4] Apple Extended Keyboard II

[5] Apple Adjustable Keyboard

[6] Apple Keyboard II (early model)

[7] Apple Keyboard II (later model)

[8] Apple Design Keyboard

[9] Apple USB Keyboard

[10] Apple Pro Keyboard



WARNING!!

 ページの記述中に、分解・改造に関する内容がありますが、決してそれらを推奨するものではなく、分解・改造または、いかなる行為によって生じた損害においても、メーカーはもちろん、管理人も一切の責任を負いません。実施する場合はあくまでも個人の責任で行って下さい。





[1] Apple Macintosh Keyboard

 
初代Macintosh付属のキーボード。

 初代Macintoshのキーボードは、Appleの業務用コンピュータ「Lisa」のキーボードから、テンキーを省略した物とほぼ同じ構造です。非常にコンパクトでしたが、反面、厚みがあり、キーのストロークもたっぷり取られているため、体感的にはまるでタイプマシンのようです。また、機械式のキースイッチを採用している割には、クリック感が乏しいような気もします。基盤とカバーの間に大きな隙間があるため、タイプすると打鍵音が増幅されて、非常に大きな音がします。



傾斜と独特なキートップ形状。

 このキーボードは、平面の基盤を本体ケース形状によって傾斜をつける事により、タイピングしやすいように工夫されています。ちょうどケースの上下分割面に沿って、基盤が配置されています。基盤の下は空洞です。キートップは最上段、上段、中段、下段が、内側に湾曲した配列で、最下段のみ角度が上を向いています。まるで、スタジアムの観客席のようでもあります。



インターフェイスは、電話の受話器コードによく似ています。

 初代Macintosh登場時の1984年には、まだADB(Apple Desktop Bus)インターフェイスは発表されてなかたので、Mac本体との接続は、電話器と受話器とを繋ぐコードに似たケーブルで行います。このケーブルのコネクタは受話器用のものと同一ですが、内部で信号線がクロスしているため互換性はありません(繋ぐと故障します)。ケーブル差し込み口の横にあるスロット状の穴は、盗難防止用の器具を取り付けるためのもので、当時KENSINGTON社などからコンパクトMac関連アクセサリーが、各種販売されていました。



裏面の機種ラベル。もちろんU.S.A.製です。

 テンキー無しが標準のMacintoshキーボードでしたが、やはり不便だったのか、純正の別体のテンキーも発売されています。そしてMacintosh Plusリリース時には、ついにテンキーとの一体型になります。ちなみに一体型のコードナンバーは「M 0110 A」です。Plusのボディーカラーがそれまでのベージュから、プラチナ(灰色がかったクリーム色)に変わったことにより、テンキー付きのキーボードもプラチナカラーが標準となりました。(ほんの少数、ベージュ色のPlusも出荷されており、そのモデルには、ベージュのテンキー付きキーボードが付属していました。また、テンキー付きキーボードの別売りもされていたようです。)



カバーの取り外しはビスを外すだけ。

 この頃のMacintoshは整備性も考慮されていたのでしょうか?ともかく、本体裏側に見えるプラスビス5本を外すだけで、トップカバーは簡単に取り外せます、最近主流のはめ込み等は一切ありません。斜めに配置された基盤がわかるでしょうか?このまま基盤を持ち上げれば、下部ケースから簡単に取り出す事が出来ます。



基盤とキーの位置関係はこんな感じです。

 キーの形状は格段列ごとに異なっています。クリックすると、黒いフレームの裏側に配置された機械式のスイッチを押し下げます、かなり大きなストロークが必要となり、素早いタイピングには不向きと思われますが、なにぶん、使い込んだわけではないので、実際はどうなのか解りません。ちなみにDキーとKキーにホームポジション用の突起はありません。



GUIのMacらしく、アイコン表示です。

 機能とは関係ないところですが、一般ユーザ向けのパーソナルなコンピューターとしてGUI(Graphical User Inteface/アイコン表示などによる直感的な操作を可能にする方式)を広く浸透させたMacintoshらしいデイティールです。ケーブルを本体へ接続するためのアイコン表示が、コンピューターらしからぬフレンドリーな印象を与えてくれます。この左隣にある盗難防止用のスロットの横には、ズバリ鎖を図式化したアイコンがあります。


次の「Apple Desktop Bus Keyboard」はこの下に続きます。





[2] Apple Desktop Bus Keyboard
(Apple II GS Keyboad)


 キータッチの良さにファンの多いApple II GS 付属のキーボード。

 このキーボードはApple初のADB(Apple Desktop Bus)を最初に使用したキーボードで、正式にはMacintosh用ではなく、'86年に登場した「Apple II GS 」のADBポート用でした。MacへのADB搭載は、'87年発売のMacintosh SEからです。SE以降のMacには純正キーボード同様に接続できます。Apple II向けの特殊なキーは無く、その配列も後のMac用「標準キ−ボード」と同じです。
 GS キーボードの最大の特徴は、通称フレームレスと呼ばれる、ぎりぎりまでケースの枠をカットしたデザインです。まるでキーだけがむき出しで並んでいる様にも見えます。Appleデスクトップ用フルキーボードとしては、今日でも最小のキーボードです。ただし、機械式のキー機構を採用しているため、本体の厚みはそれなりにあります。



このGSキーボードは台湾製です。

 GSキーボードは、日本製と台湾製の2種類が存在します。主な違いは内部のキースイッチと基盤の製造メーカーです。日本製は、アルプス電気の基盤を使用しています。キータッチが良いキーボードとして人気のあるGSキーボードですが、その中でも日本製のほうが、より打鍵フィーリングが良いとの事で人気があります。



内部へのアクセスは簡単です。

 基盤を見るためにケース裏側にあるプラスビスを3本外します。これでりんごマークのある上側のカバーが外せます。基盤は下部(スペースキーのある側)の突起が、ケース側の凹みにはまっていますので、上部(電源キーのある側)を持ち上げるようにして、そのまま上に引き上げればケースから取り出せます。テンキーとの仕切り部分は基盤側にはめ込まれています。キーが付いたままでも分解可能です。ケースはバスタブ型の一体成形となっています。キースイッチの白いものが台湾製で、日本製はピンクがかったオレンジ色でした。



2色の樹脂成形によるキーの裏側

 特徴的なデザインのキーは、ベージュとグレーの2色の樹脂で成形されています。キー中央のスイッチとの接続部分は、最上段、上段、中段、下段、最下段用に、それぞれ異なる長さと角度が与えられています。これは基盤が平面である事から、キータッチしやすいように内側を湾曲させた配列にするための構造です。左端手前の白い突起状のパーツは、変形キー(または長いキー)の力点を分散させて、均一に押し下げるための金具の軸受けです。L字型のreturnキーの丸い棒は、基盤に差し込まれるガイドです。キーひとつとっても多くのパーツで構成されているのが解ります。後のMac用キーボードの一体成形キーと比較して、ほんのわずかですが重量もあります。



キーの文字は印刷ではなく、グレーの樹脂の特殊成形によるもの

 キートップにある文字は印刷である事が多いのですが、GSキーボードの場合、裏側のグレーの樹脂を特殊な製法により、表面上で文字として成形しています。字体上、樹脂が行き渡らない部分は、裏側よりキートップと同色の樹脂が補填されていました。上の写真は、deleteキーの表と裏ですが「d」と「e」のように周囲を囲まれた部分には、裏側より樹脂を補填しているのが解ります。キー表面をよく観察すると、文字の部分が印刷でないことが確認出来ます。



人間工学に基づき、考え抜かれた形状と配置です。

 キーの配列の湾曲形状については、キーの裏側写真のところでも述べましたが、具体的な配置がよく解る写真です。キー裏側のスイッチへの接続部分の形状だけでなく、キートップの形も段列ことに、微妙に角度が付けられているのが判るでしょうか?つまり、このキーボードでは、各段列ごとに5種類の形状があるという事になります。近年ののApple純正キーボードは、基盤自体を湾曲させていますので、各段列のキーの形状はどれも一緒です。特徴的なキートップの形状は「Apple IIc」のキー形状を受け継いだものです。キーが突き出て見えるのを緩和するデザインです。指にフィットする感覚が人気の秘密です。唯一難点を挙げるとすれば、機械式のキーボードの常として、打鍵音が大きい事です。特に夜間の使用には気を使います。




 Apple社初のADBキーボードは、研究し尽くされたキー配置と、贅沢とも言える造りで、最高のキータッチを実現しています。この構造だと膨大なコストがかかるのでしょうが、出来る事なら、現在のアップル純正プロ・キーボードのラインナップに、外観デザインを今風にアレンジし、ファンクションキーを備えた新バージョンを、ぜひ追加して欲しいと願うほど、素晴しいキーボードです。

おまけ

Apple DeskTop Bus Keyboard
(GS Keyboard リビルド品?)


一見、普通のGSキーボードですが・・・

 これは先にご紹介した台湾製キーボードを入手する数日前に、オークションで落札したものですが、少々変わっているのでご紹介しておきます。日本製のラベルのある Apple DeskTop Bus Keyboard です。



ケース全体が塗装仕上げです。

 変わっているのはケース全体が塗装仕上げとなっている事です。それも、通常の塗料を吹いただけのものではなく、凹凸のある特殊な塗料で塗装されています。仕上がり具合は大変美しく、Apple社による純正塗装なのか、サードパーティーのリビルド品なのかは不明ですが、いい仕事してます。キートップは塗装されていないので、日焼けにより、やや黄色く変色しています。



ラベルの記載は日本製。

 裏面のラベルは日本製のキーボードに貼られていたもので、台湾製とデザインが異なります。新たなシリアル番号が、小さなシールで追加されています。



気になる封印シール。

 背面に3か所あるプラスビス穴のうち、中央の穴には「WARRANTY VOID IF SEAL IS BROKEN/シールを剥がした場合は保証対象外」と書かれた封印シールが貼ってあり、分解できなくなっています。おそらく、剥がすと跡が残るシールだと思いますので、そのままにしてあります。



ステッカーのシリアルナンバーと一致します。

 パッケージも付いていましたが、オリジナルのものかどうかは不明です。品番ラベルにあるシリアルナンバーは、本体の小さいシールのナンバーと一致します。


 後でキートップを外してみてわかった事ですが、基盤は台湾製の白いキースイッチのものでした。基盤とケースは、元は別々の個体であったものを、再利用しレストアしているようです。そこでシリアルナンバーが新たに発行され、封印シールが貼られたのでしょう。どこでレストアされたかは・・・謎です。



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