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固定資産と減価償却を考える

やはり収益に対応する部分が費用だ

前回(g23)、棚卸ということについて説明したときに、すべての支出が費用ではなくて、 収益に対応する部分が費用であると言いました。固定資産の考え方も同じです。例をあげてみましょう。

普通は、パソコンや自動車などは一年で駄目になるのではなく数年間は使えます。ですから、 これらに対する支出は一年間の収入に対応するのではなく、数年間の収入に対応すると考えられます。 そこで、いったん固定資産という勘定科目にプールしておき、減価償却という名目で少しずつ 費用として処理するのです。

固定資産の耐用年数

これらのパソコンや自動車などが何年間使えるかということは、当然まちまちです。しかし、 法律上はそうも言っていられないので種類ごとに一律に決められています。こうした耐用年数表は いろいろな書籍などにのっています。一例をあげると次のようになっています。たぶん。 もし自分で調べて分からないときには税務署に聞いてください、とテキストにありました。 …厳密に言えば、自分で年数を証明できればそれでも良いらしいです。でも、手間をかけるだけの 値打ちはないので「お上が決めた年数」を使うのが合理的ということのようです。

10万円以上のものだけ

一年以上使えるということであれば、ホッチキスとかカッターも結構長いこと使える物ですが、 そうした細かい物までは管理しきれません。そこで、10万円未満のものについては消耗品扱い でよいということになっているようです。(専門書ほど歯切れの悪い表現になりますけど)
なお、この10万円以上かどうかについては経理処理が税込みの場合は消費税込みでの価格、 税抜きでの場合は消費税抜きでの価格だそうです。こちらも「ふーん」ですけどね。 これで将来に10%とかになったらバカにできない違いかも、なんてね。

分割してはいけません

固定資産の処理は面倒ですし、それによって得をするかと言うと、逆に税金が増えます。そこで、 うまいこと分割して費用として処理しようなどと考えたくなりますが、そのようなことは税務署は よく知っています。考え方としては「独立して使用できるものでなければ分割できない」とのことです。 たとえば、プリンタやスキャナなどはそれだけでは仕事ができないので、パソコン一式の一部に するのが普通です。まして、自作パソコンについて「マザーボード」とか「ハードディスク」とかに 分割して伝票を書いたりすると「わざとやった」と認定される可能性があります。それは、 脱税という立派な犯罪です。


減価償却費の計算方法

たとえばパソコンの耐用年数が4年であるということは、4年後には使えなくなるという意味では ありません。しかし価値は減っているだろうということで、元の価値の10%にまで落ち込むと 決まっています。これを残存簿価と言います。その間に、90%の部分を減価償却という名目で 費用として処理するわけです。この方法には二通りあります。

個人事業主の場合は、デフォルトでは定額法ですが、申請すれば定率法も使えます。もちろん、 個々の物件ごとにではなく、全体としてどちらにするかという話だと思います。いろいろな資料に、 計算のもとにする数値として次のような表が示されています。次に、この表の使い方を説明します。

定額法の数値は90%部分に対する比率である

たとえば、168,000円のバイクを買ったとします。耐用年数は3年なので償却比率は0.333となります。 したがって、1年あたりの減価償却費は168,000×0.9×0.333=50,349.6となりますので、四捨五入して 50,350としておきます。…数学的には0.333ではなくて1/3ですから四捨五入する必要はないのですが、 数学的に正しい数値よりも「お上の決めた数字」が正しいという説もあるようです。 そんなことはともかく、この数字で三年間にわたった償却し続けると次のようになります。 …10%の16,800円よりも150円多く残ります。

実のところ0.333ではなくて1/3とすると減価償却費は50,400円となります。それで計算すれば 三年後にはぴったりと10%の16,800円になります。しかし、これは1月1日に買った場合で、通常は 年の途中で買いますから最初の年は月割りにするので、多少の誤差は目立たなくなります。 …そういう問題かどうか知りませんけど。
ともあれ、例として最初の年の償却は7ヶ月だとすると50,350×7÷12=29,370.833…となります。 四捨五入して29,371円としておくと次のようになります。…ところで、月の中間の15日とか16日の ときはどうするのだろうか。こういうことばかり気になるのがシステム屋というものですけどね。
なお、最後の年は残りが10%の16,800円になるように逆算します。

そういうわけで、減価償却の計算というのは明解なようで、ちっとも明解ではありません。 たぶん手作業で処理するときは適当にやっておいて最後は10%にするのでしょうけども、 パソコンで処理するシステムを作るような時には悩みそうですね。…悩むほどの価値がありそうに ないところがまた嫌ですけどね。


固定資産管理台帳を作ろう

実のところ、固定資産管理台帳というものは作らなくてはいけないと決まっているらしいです。 しかしながら大企業と違ってSOHOなどなら、固定資産の数など知れています。たぶん、ノートを 一冊用意して表紙に「固定資産管理台帳」と書いて、ページごとに一つの物件の記述をすれば 良いように思います。…私はシステム屋なので保証はできませんけど。
少なくとも取得と減価償却と廃棄の記述は必要だと思います。減価償却の計算は上で示したように 存外に面倒ですので、最初に「減価償却予定表」として上のような表を計算しておけば、決算の 時には楽ができると思います。

修理をした時

まず、修理のてんまつについては、せっかく作った台帳なので記載するべきなのでしょうね。 修理費を費用に出来るかどうかは、よく問題にされるところです。これについては、 私の知識では確たることは言えませんので、具体的なケースについてしかるべき 専門家に聞いてください。

もし費用にならない場合は、その出費はまた新たな固定資産になります。元の固定資産は 途中まで減価償却がすんでいるので、そこに金額だけ上乗せすると変なことになります。 別のページに追加資産として作成して親子関係を記述しておくのが良いのではないかと思います。 …この項目もあまり自信はない。

廃棄をした時

もし、固定資産を廃棄したときには、残りの簿価を全部費用にできるはずです。 しかし、少なくとも「本当に廃棄した」という証明を残しておく必要があります。これが 意外とやっかいです。パソコンなどは処理ルートが決まっているようなので、何か処理費用の レシートのたぐいがありそうですけどね。
ところで、昔は「スクラップに売って差額を固定資産売却損で処理する」とテキストに書いて ありましたが、最近では費用を支払って処理してもらうことの方が多いでしょう。その場合には、 処理費用は経費にして、残りの簿価は固定資産除却損とかで経費にするのでしょうか。


固定資産関係の仕訳方法

経費項目ではなく固定資産になるような買い物をしたときには、仕訳の借方の方を該当する 勘定科目にします。たとえば、バイクは車両運搬具だと思うので次のようになります。

以上の仕訳データにより、固定資産の科目に積み上げたことになります。これを耐用年数に わたって取り崩すわけです。取り崩しは期末の日付にして次のように固定資産を貸方つまり マイナスにして、減価償却費という費用の科目に移し変えます。また、廃棄したときには 残りの全額を除却損とかの科目に移しかえれば良いと思います。




定率法の場合の計算方法

さて、定額法の時には取得価格の90%に係数をかけましたが、定率法の時には残りの簿価に 対して係数をかけます。つまり、次のようになります。ただし最後の年は多くなりすぎているので、 残りが10%になるように調整しています。…もともと上記の定数表は3桁しかないので精度が 足りないのです。その程度の誤差は気にしないという意味なのでしょうか。

以上の計算は年の初めに購入した時のことです。年の途中から購入した時には月割りになります。 たとえば、初年度の使用が5ヶ月とすると次のようになります。

そういうわけで、固定資産の管理には現物の管理と帳簿上の管理があります。帳簿上の管理だけでも 結構面倒です。やはり、固定資産管理台帳と称するノートを一冊用意した方が良いかと思います。 大企業ですと、固定資産管理のためにちょっとしたシステムを構築するところです。 しかし例外処理が多くてソフト開発にはかなりの手間がかかりそうです。
したがって、固定資産の数の少ないSOHOなどでは電卓で計算した方が 合理的かもしれないと思っています。なにがなんでもパソコンというわけではありません。 …次回は消費税を取り上げようかと思っています。すっごく面倒だけどね。では。


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