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  洪志田老師と出会う


私が洪志田先生に出会ったのは1990年の冬だった。
私は1989年の9月ブルガリアの兵役義務を終え、中国武術に魅了されて北京へやってきた。そして、中国武術を習うため、教えてくれる人を探し始めた。しかし、北京へ来て以来、半年余り一生懸命に探したが私が理想とする“本当の武術”を教える人はなかなか見つけることができなかった。
同じような経験をもっている日本の中国武術愛好者達なら私の気持ちがよく分かるのではないかと思う。中国武術の門派はどこの門派でも大変立派だが、実際にその智識や技術を身に付けるのは何より難しい。したがって現在多くの名人と言われる人達を含め中国の武術家は、口はうまいが実践的な格闘においては99.9%素人に過ぎない。
中国武術の良い先生を探せずに意気消沈しかけていたちょうどその頃、私は友人を通じて洪志田先生に出会うことができた。
子供の頃から空手をやっていた私は、相手の実力を自分で試してみないと納得できなかった。また、私には相手がどんなに強いのかそうでないかの判断をする方法がほかにはなかった。
当時の洪志田先生の容姿は今と変わらない。身長176センチ、腕が細くて、腹が少し出ている。左手には必ずタバコを挟んでいる。 一見すると運動不足の普通にどこにでもいる中年男性と変わらなさそうだ。
が、しかし彼を攻撃しようと思った瞬間に、私はもうすでに地面に倒れていた。 私がやられたと分かったが、いったい自分がどうやって倒されたか、ぜんぜん覚えていなかった。
その後、洪志田先生が他の人と練習しているときに横で見ていて、すごく驚いた。 先生のようなスピードと瞬発力、そして自然な軽さを備えた動きと破壊力の組み合わせを私は初めてみたのだった。
しかし、12年後の今、戳脚翻子拳の多くの功法を教わり、以前と比べると随分わかるようになったが、いまだに古代中国武術のすばらしさに驚きをかくしきれない。  

 


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