MISCELLANEOUS WRITINGS
MISCELLANEOUS WRITINGS 今月の雑文


過去の雑文たち
05/03/28
・行けるかも……と希望はあった探偵講談、残念ながらその後にいろいろと突発的な事情が発生してしまい、今回は泣く泣く出席を見送らせて頂くこととなってしまいました。南湖さんはじめ関係者の方々には申し訳ありません。いや特に、今回のガニラを聞き逃したことに関してはもう残念で残念で……。 それはそうとMYSCONの時にどうだったか聞きますからね>たぶんおいでになられたであろうくにももさくらさん

・つい最近角川ホラー文庫より刊行された東雅夫さん編集の『闇夜に怪を語れば』を読んだ。評は別途書くが、百物語に取り上げられるような実話怪談というよりも、百物語というイベント自体が取り上げられる作品を中心に「百物語」とはいったい何なのか――が追求できるようになっているという、アンソロジーのお手本のような構成に舌鼓を打つ。だが、個人的には、学生時代に読んだ短編小説の結末にあって、それ以来心に棘となって引っ掛かっていた、「ある理由から、鏡を見ないで髭剃り」というエピソードの作品と再会したことが最大のポイントとなった。改めて考えてみれば、そりゃ確かに学生時代に読んでるわ、あの作家ブームだったし。ただ、読んだっきり、大筋は忘れていてもあるエピソードが強烈なインパクトを残す……といった作品と、まさかホラー文庫のアンソロジーで再会することになるとは。これも一種の読書の縁。不思議なものである。


05/03/26
・サッカーW杯、アジア地区最終予選、日本代表vsイラン代表。この試合は引き分け希望だっただけに負けは予想される範囲内のできごととはいえやっぱり残念。ま、楢崎が当たっていなければ、もう数点取られても仕方ない試合だったし、結果は仕方ない。(小野のロングシュート、決まってたら格好良かっただろうなあ)。ところどころ光るプレーがあったとはいえ、全体を通じての中田は過去における”王様”と呼ばれる中田の動きからはほど遠かったように思えた。あと、”潰れ役”鈴木の不在によって、日本の飛び道具たるFKの機会が極端に少なかったことも残念。細かいところでいいたいことはいろいろあるけれど、しっかりとバーレーン戦で勝って欲しい。

・個人的なことながら先週から日程を睨んで画策、みえみえでも直帰できる出張を入れるべく努力中。


05/03/24
・(既に某所で披露したネタの焼き直し)先週、日本全国を飛び回り、その立て替えた出張旅費が現金精算された。それまで空っぽに限りなく近かった財布のなかに諭吉さんが十枚超。ふふふ。笑いが込み上げてくる。(いや、少々手当てが入っているとはいえ、もとは立て替えた自分の金。なのでなんか儲かったようにみえてもそれは確実に錯覚なのである。この金はとっておいてまた次の出張に使うものなのだ。だから錯覚、錯覚だと分かっているのに!) わーい、大盤振る舞いだー♪

・結果。

 「日影丈吉全集 8 単行本未収録小説」(国書刊行会)
 定価・本体12,000円+税


・新刊一冊に支払った金額としては過去最高かも(一万円丁度くらいまでは経験があるはずだが)。この日影丈吉全集、欲しいのは全部欲しいものの、他の巻は、例えば長編三本中、二つは持っている(裏を返せば一つは持ってない!)とかで、コストパフォーマンスを考えた時にどうしても二の足を踏んできたというのが現状。あと、結構スペースを取るので新たな置き場所がない。ただ、この最終巻、収録作は全部まるまる持っていないし(当たり前だ。単行本未収録なんだからな!)、全集の別巻除く最終巻、刷り部数もどうやら少なそうだし、十年後にキキメと化すのは確実とみた。

・まあ、全集なんで読みたければ全国の図書館に行けばいいようにも思うが。一冊くらい手元においておきたいじゃないですか。ねえ、アナタ。


05/03/22
MYSCONホームページにてMYSCON6の参加者名簿が公開されました。コメントを一つ一つ眺めてゆくと、意外な個性があって結構面白いです。「良く行くサイト」で本サイトの名前を挙げてくださいました皆さま、いつもありがとうございます。

・もう一つお知らせ。二ヶ月に一度のお楽しみということで。

・  第22回『名探偵ナンコ』〜よみがえれ!探偵講談〜

 会場/本遇寺(JR東西線「新福島」・ 阪神「福島」下車、地下鉄2番出口から徒歩5分。JR環状線「福島」下車徒歩10分。福島区福島3-7-38)

 3月27日(日曜日)
 開場/18:00 開演/18:30
 料金/当日1500円
 出演/旭堂南湖「探偵講談・謎の民衆裁判」(原作・柳原緑風)、「講談紙芝居・原子怪物ガニラ7」(作画・左久良五郎)、「他一席」
 ゲスト・芦辺拓(作家)「対談・探偵講談と探偵小説あれこれ」

・MYSCON前週ということでちょっとばたばたしていて行けるかどうか微妙(これでも「絶対に行けない」という前回から若干前進したのよ)。 ただ、今回はどうやら(南湖さんは口を濁してはいるものの) あの「原子怪物ガニラ」が、遂に感動の最終回を迎える模様。 いや感動するのか脱力するのかは分かりませんが。ただ、ここまで一年近くお付き合いした以上、結末は知らねばなるまいて。


05/03/21
shakaさんに代表職を引き継いでかなり仕事量が減ったとはいえ週末は小生なりにMYSCON準備作業。いよいよ近づいてきましたね。それよりも前に、いわゆる期末があるのがもっと気にはなるのだけれど。

・さて、そのMYSCONにてこれまでになかったタイプの企画開始。プレ企画MYSCON6くじ 好きな数字でMYSCON6、というコピーが示す通り、某宝くじを意識した内容のプレゼント企画。MYSCON6の参加者はもちろん、今回都合で参加できなかった貴方に対しても応募資格は開かれています。詳しくは上記リンク先へ。(この企画は近田鳶迩くんが私財を抛って実現に繋げたもの。謝!)。

・あと、更新されて一週間してから、という報告もなんですが、e-NOVELS《川に死体のある風景》特集オススメの大倉崇裕作品ということで原稿書きました。わたしの原稿はどうでもいいんですが、今回、WEB書評のゲストでお迎えしました冴西理央さんに頂いた『無法地帯』の文章が良い感じですので、宜しければお目通し下さいまし。


05/03/20
・ミステリにおけるファン投票による賞の話の続き。一晩何となく考えていて、もう一つ問題があることに気付いた。既に「ミステリー」というジャンル自体が、その裾野を拡げすぎている状況下、読者にとっての”面白さ”における統一基準が存在しなくなっている――こと。「このミス」が端的に状況を示す通り、「ミステリー」と全般のジャンルを括るのであれば、ほとんどその言葉は「エンターテインメント文芸」と同意になっているわけで。そのなかで「一番面白かった作品」といった漠然とした基準を個々にお願いして投票してもあまり意味がないのかも。こういった基準で何らかの投票を実施したとしても、これでは「このミス」の拡大版にしかならないような。いや、それはそれで良いのかもしれないけれど、少なくとも”新たな意義”はあまり無くなってしまう。それなら「このミス」一位に賞を授ける行為とあまり変わらないような気がする。

・もう一つは、「ミステリー」に分類される作品の刊行される冊数が多すぎて、全てを網羅して読めている人がほとんど存在しないこと。職業的書評家のうちであっても、そのごく一部の方しかそこまでは網羅しきれていないと思われる。裏を返せば、有名作家のベストセラー作品(要は沢山の人に読まれている作品)の方が有利になる。以前も疑問を呈したことがあるが、新刊読了冊数の少ない人と多い人とのあいだの結果への影響力が同じなら、結果的にベストセラー作品が優位になる。どんなに良い作品であっても、数が読まれていない作品には投票は集まらない。新刊を百冊読んで一冊を選んだ人の一票と、三冊だけ読んで一冊を選んだ人の一票は果たして等位なのか。でも、結果的に売れた本が偉いのだという考えもあるだろうし……。

・となるとやっぱり「ミステリー」のなかでも特定のジャンルに絞って明快な基準を示すことだとか、投票者に何らかの制限を課すか(加重平均するとか)するしかないのかな。既存の賞や年間ベスト企画が完璧ではないにしても、それなりに考えられているものであることなどを改めて実感したりもする。最適な解が浮かばないままだけど、このまま続けても虚しいので考察おしまい。


05/03/19
・続き。御存知の方は御存知の通り、ミステリにはファンの投票によって与えられる賞がない……とは言いきれない。近年におけるその代表的なものは、Japan Mystery Award on Internet(インターネットで選ぶ日本ミステリー大賞)になるだろうか。インターネットという媒体を活かし、一般読者のネット投票で年間ペストを決めようという意欲的な企画だった訳で、何度か小生も投票させて頂いた。ただ、2004年の結果が非常に残念……というか不可解なことになったことを受けてか、中止されてしまっている。やはり組織票対策が必要だったこと、あとネット投票というかたちにしているにも関わらず、票の集まりが今一つだったようにみえる点も何というか”惜しい”という印象が強い企画である。

・また、政宗九さんがここのところ毎年実施している「インターネットで選ぶ本格ミステリ大賞」(2005年分投票募集中)がある。ただこれは本格ミステリ作家クラブの同賞とリンクした形式であり、オリジナルではない(もちろん、それ自体は興味深い企画でありますよ)、同様に原書房では「本格ミステリベスト10」に合わせ、読者投票を募集したりもしている。これらも”前提”があっての「枠拡大」のニュアンスが強く、”前提”を超えるものではないだろう。

・一方、投票とは関係なくその母体となりそうなファン組織は、ミステリにも存在する。大学のミステリー研究会系のいわゆるミス連、国内最古のミステリ・サークルであるSRの会、その他「このミス」巻末にあるような各種のサークル……。もちろん、MYSCONもある。ただ、どうだろう、こういったところからは今までのところ、星雲賞や冒険作家協会賞に相当するような”ミステリにおける賞”というのが、今までのところ出てきていない。……よね?

・かといって、じゃ自分で作っちゃおう! という余力は今のところありません。ただ、出版社の意向に左右されない、ある程度の識者が下地を作る、投票したい人が手続きを経れば投票できる、組織票を受け付けない……というイベント自体は(少なくとも物理的には)可能だと思うんだけど。基本的には勝手に賞をつくって、勝手に送りつける。少なくとも受賞する側はそんなに迷惑ではないと思う。ただ、実行のためのハードルもいろいろ高そうだけれど。ちょっと夢想してみる。


05/03/18
・本来、わたしにとってホームページの更新作業というのは”楽しい”時間なので、こうしてなかなか更新できない時期は”フクはまた何かで苦しんでいるんだな……”と思って頂ければ幸いです。

・西澤保彦さんの(問題作?)『両性具有迷宮』がこのたび双葉文庫化され、その帯を見て初めて知ったこと。同作品は(自分的にはいつの間にか)2002年度センス・オブ・ジェンダー賞特別賞の受賞作品となっていた模様。そもそもそういった賞があること自体知らなかったわけなんですが。どうやら、ジェンダーSF研究会という組織(?)があり、そのサイトをあちこち見てみてようやくいろいろなことが判ってきた。

・「ジェンダーSF研究会では、SF関連作品のなかに性差という視点を導入することによって どんな新しい世界が見えてくるのかを探究し、それに関連するさまざまな活動を通して会員相互の親睦を深めようという趣旨のもとに、2000年に発足されました。」(同サイトからの引用) ふーむ、なるほど。センス・オブ・ジェンダー賞とは、そしてその年刊行された書物に対し「「SF的にジェンダーについて深く考えさせる日本の作品を選び、あなたのSF的ジェンダー考察は、すばらしい」と、一方的ではありますが、褒め称えさせていただく賞」なんだそうだ。

・もちろん、SF界にはSF大会の参加者投票によって選ばれる星雲賞がある。同賞もいわゆるファンダムから出発した賞があり、相応の権威をもってその称号は使用されている。同様に、冒険小説系のエンターテインメントにおいては内藤陳さんを会長とする日本冒険小説協会が毎年大賞を選んでいる。(つい最近設立された日本冒険小説協会のホームページを御参照願いたく)。ただ、自主的に参加するファンが投票する賞で、相応に世の中に認められているように思えるのは、エンターテインメント系の小説においてはこの二つくらい?

・で、当然ミステリについても考察したいわけなんですが。久しぶりの更新で時間が無くなったので、一応”続く”ということで。感想も書いておきたいし。


05/03/12
・多忙につき一週間ほど沈んでました。一山超えたのでまたもう少しペースを上げて更新できるようになると良いのですが。

MYSCON6、当日の各企画についての記事が少しずつ上がってきております。参加予定者はもちろん、そうでない方もたまに目を通してくださいますと幸いです。参加できない方のための企画も……あるかも。

・そのMYSCON6のゲスト、太田忠司さんがうつのみやこども賞を『黄金蝶ひとり』で獲得されたそうです。 おめでとうございます! (まだリンク先ではその情報は反映されていません)。

・この「うつのみやこども賞」、これまで知らなかったんですが実際の読者である児童が面白いと本当に思った本が獲得するかなりシビアな賞の模様。昨年度ははやみねかおるさんが『ぼくと未来屋の夏』で獲得しています。ミステリーランド、強し。ただ思うのは、「かつて子どもだったあなたと少年少女のための――」という同叢書のキャッチフレーズ、この「かつての子ども」と「少年少女」とのあいだで若干ながら作品評価に差異があるのかな、ということ。端的にオトナに受ける同叢書が現役の子どもに受けるとは限らない。ただ、その逆、子どもが面白いと思う本はオトナも面白いわけで。


05/03/05
MYSCON6は受付を締め切りました。参加される方は当日また宜しくです。

・見ての(↓)通り。MYSCON6ゲストである太田忠司さんの作品を絶賛読み込み中。単独作家の未読作品をこれだけ虚心に一気読みするのは、久しぶりの体験。既に実績のある作家に対して「遅れてきた来た読者」というのは、最新作まで追いつくのが大変である一方で、こういう楽しみがあるんだよなあ、ということを久々に気付かせてもらったような気がする。リアルタイムで新刊を読んでいる場合、はなかなか気付きにくい作者の姿勢の変化なんかも、こういう読み方をしている時の方がもしかすると分かりやすいかもしれない。(といって、まだ太田さんに関して何か気付いたというわけではありませんが)。ただ、読みやすい文章を書かれる方ではある。


05/03/04
MYSCON6参加申込受付、そろそろ終了みたいです。駆け込むなら今のうち。(3/5深夜に終了)。

・ひっそりと上京したり、「ですぺら」に閑古鳥という鳥撃ちに出掛けたり、人と会ったりしておりました。

・改めて気付いたこととして「詩」を自分が解さないということ。小説は普段から読んでいるからいいとして、短歌や俳句でも心臟を斬りつけられるような思いをすることはあるのに、詩となると急にどう自分のなかに消化して良いのかが分からなくなる。小説と同じで、どう解釈しようがそれはそれで構わないというものなのかもしれないけれど、例えば本格ミステリであれば、それを萌え小説として読むのも読者の勝手といえば勝手とはいえ、やっぱり本格ミステリとしての視点や意志がどこかにあるわけで。このあたり「詩」ってえのはどういう捉え方をすれば良いのか。そもそも、やはり数をこなし、体系を知らなければ見えないものがあるのか。


05/03/01
e-NOVELS書評です。黄昏ホテルシリーズを発表順に読むということが、恐らくは単行本(こちらは読めない)とは異なる楽しみとなっております。いわゆる「行間を読む」を超えた「作品間を読む」読み方ですね。

田中哲弥「タイヤキ 黄昏ホテルシリーズ第11回」  e-NOVELS 定価100円(税込)17P 509KB 販売ページ

 田中哲弥氏は'84年『朝ごはんが食べたい』で星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞後、『大久保町の決闘』電撃文庫より刊行してデビュー。著書に大久保町シリーズと『やみなべの陰謀』、また訳書として『悪魔の国からこっちに丁稚』がある。著者のことばによれば、当初「老紳士と美少女の悲しいロマンス」になるはずだったらしいのだが。登場するのはむさ苦しい野郎たちばかり。紳士も美少女も、影も形も見あたらない。

 一週間前まではアルマーニにフェラガモに金のネックレスとロレックス。美人をベンツで連れ回していた岩男。日に百万円単位の収入をもたらしてくれたのはコカインに絡む仕事だった。ところが、その数億円分のコカインと代金が何がおきたか同時に消え失せた結果、ヤクザと謎の中国人、更には警察に追われることになり、今は汗くさい作業服に身を包み、弟分の伸吉と逃亡生活を送っていた。彼らが目指すのは、岩男の出身地。しかし銃撃が彼らを襲う。岩男は、かつて大工の修業をしていた時期があり、その時の棟梁の言葉を思い出していた。その棟梁は通称「黄昏ホテル」のパン売り場の片隅で販売されていたタイヤキをこよなく愛しており、時々岩男に買ってこさせ、十二個のうち十一個をぺろりと平らげていた。「タイヤキの味なんて、どれもおんなじようなもんと違うんですか」岩男の疑問に対し、棟梁はタイヤキにかこつけ、高級食材を高級に仕上げるのではなく、ありふれた材料をいかに美しくうまいタイヤキに仕上げかに意味があるのだと応えた。そんな話を思い出すうちに、彼らは追っ手に着々と追い詰められていく……。

悲劇的な状況のなかでの喜劇的なふたり。それでもじんわりと心に拡がる温かみがあって。
 改めて連作のオムニバスって面白いよなあ、と競作とはまた異なった面白みを見出した感。というのは「黄昏ホテル」という共通テーマのなか、既に宿泊客、フロント、それ以外の裏方従業員、地下のバー……といった要素は半分まで至った段階で先に執筆した作家が使ってきている訳で。新味を出そうとするからには、別の切り口を作っていく必要が……というなかで、田中哲弥氏が選んだのがホテルブランドの食品というテーマ。確かに有名ホテルで供される料理ってデパ地下に行けば、缶詰やレトルトにされて売っている。しかもホテルの高級感のせいか、若干製造コストがかかっているからか、高い。

 ただ、そこまで行き着きながら、なぜかタイヤキという選択。しかも「黄昏ホテル」のタイヤキ。このミスマッチ。しかしナイスマッチ。

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