MISCELLANEOUS WRITINGS
MISCELLANEOUS WRITINGS 今月の雑文


過去の雑文たち
05/12/30
・今年最後の更新は、長らく中断させてしまっていましたが、e-NOVELS書評です。くろけんさんの作品。

黒田研二「あなたがほしい 黄昏ホテルシリーズ第13回」  e-NOVELS 定価100円(税込)18P 610KB 販売ページ

 第16回メフィスト賞を受賞した『ウェディング・ドレス』以降、十数冊もの作品を発表しながら「なかなか作品を文庫にしてもらえない」とお嘆き中の黒田研二さんに愛の手を。本作は、そんな黒田さんらしいミステリ・スピリット(ストレートではないけれど、サプライズを仕掛けてやるぞ!)という意気込みに溢れた短編作品。

 「あなたを愛しています」。私はあなたに愛されることで、心の中に鬱積した澱が浄化されるのです。あなたが生み出す快感に吐息を漏らし、あなたに会うためだけにこのホテルを訪れる。あなたに会ってから、仕事仲間にも「活き活きとしている。綺麗になったみたい」と云われるようになりました。あなたと暮らしたい。あなたがほしい。
 事件を解決するたびに骨休みのために〈黄昏ホテル〉に宿泊にすることにしている俺。俺の職業は刑事。そんな俺の部屋を年輩のホテルマンがノックしてきた。上階から銃声が聞こえてきたというのだ。ホテルの最上階には、閉鎖されたレストランしかなく、ホテルマンはボディガード代わりに俺に付いてきて欲しいという。しかし、大量に埃の舞う現場を訪れた二人の前には、血の海のなかで首と両腕が切り落とされた死体が出現したのだ……。

執念深い恋をしている女性の一人称と、発見される猟奇殺人死体のアンバランス。その喪われた輪の繋がりは?
 さまざまなタイプの作品が寄せられているこの〈黄昏ホテル〉シリーズだが、黒田研二さんは真っ正面から自分の得意分野であるミステリにて勝負してきた。そして、ミステリである以上、その真相(オチ?)をここで述べることはできない。しかし、どうしてもいいたいのでいってしまうと、本作、紛うことなき強烈なバカミス系統に連なる作品である。(もちろん、このバカミスというのは、褒め言葉として用いている)。こんな作品、なかなか他の作家が真似できるものではない。決して真相が理屈に適っていないとか、いきなりSFが飛び出してくるとかいったわけではなく、作品のなかに仕掛けられた伏線によって見通すことのできる真相でありながら、こうも脱力させてくれるところが堪らなくバカミス的であるのだ。

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05/12/29
『海賊モア船長の遍歴』の遍歴。

・ひょんなことから多島斗志之『海賊モア船長の憂鬱』を買った。大人の衝動買いである。今となっては何故、普通の単行本二冊分の本書をレジに運んだのか理由をよく覚えていない。(損したとかそういうことではない)。だが、これは「海賊モア船長」のシリーズ二冊目、一冊目が『海賊モア船長の遍歴』である。まだ読んでいない。某所でどちらから読んだ方が良いか誰とはなしに尋ねたところ、ある方(別に名前を挙げても良いとは思うのですが)より、最初から読んだ方が人間関係が良く判ると思います、と適切なアドバイスを頂いた。

・ならば、『遍歴』も買わねば。本屋に出掛ける。

・文庫の棚をだららららららとサルベージするが見あたらない。

・む? なぜ?

・確かに文庫版の表紙は見た記憶がある。

・ミステリー棚に行く。『海賊モア船長の憂鬱』。うん。集英社。そうか、集英社文庫を探せば良いのだな。(フクは罠に嵌った!)

・本屋一軒目、ない。本屋二軒目、ない。本屋三軒目、ない。これはおかしい。三軒目にあった店内検索用の端末で調べる。

え、中公文庫?

・同一シリーズで版元が違うケースはままあるけれど、自分の捜している本がそうなっているとは全く思いつかなかった……。迂闊。

・西澤保彦さんのタックタカチのシリーズとか、今から予備知識なしで捜そうとするとサバイバルだろうな……とか、この件を通じて少し感じた。


05/12/25
・某所にMYSCONコミュを作りました。参加可能な方は加入して頂けますと幸いです。

・ちょっと身近な話題ながら。

・小生、散髪には理髪店ではなく、近所の美容室に行っている。とはいってもそんなにお洒落なところではなく、価格が目玉の店。巷間で流行りの千円理容に比べるとコイン数枚高いものの、一応は美容室のサービスになっている点が気に入っている。ただ、予約無し順番制なので、どの美容師にあたるかは運次第。とはいえ、それほど今まで不自由は無かった。

・昨日、その店に行って、初対面になるおばさん美容師さんに担当してもらうことになった。散髪の時間は待ち時間含め、最高の読書タイムだと考えているので、山田正紀『マヂック・オペラ』を携え、椅子に座る。ちなみにいつも、世間話は最低限しかしない。

・「本日担当させて頂く○○です。早速ですが、お客さま、本は御遠慮願えますか?」
 「は?」
 「髪の毛を切るあいだ、本を置いておいて頂きたいのですが」
 「?? なんで?」
 「いえ、微妙なバランスが狂うといけませんので、いつもお願いしているんです」
 「……」

・おいおい、三十数年間いろんなところで髪を切ってきたが、散髪屋で本を読むななんて初めて言われたぞ。そちらもも悪気はないんでしょうが、こっちはこっちでこの時間は貴重なんですよ。だから一方的に妥協案を提案した。 「ああ、そうですか。じゃあバランスが崩れてもいいですから」 ということで読書を続けたわたし。

・あまりこんなリアクションはこれまで無かったんでしょうね。お互い気まずくなって後は無言。最後に「これでいいですか」「いいですよ」でオシマイ。

・なんか、大人げなかったかなー、と少し反省しつつ、帰ってから改めて鏡を見てみると、髪の毛のバランスが微妙に悪い気がする。これは、気のせい……なのか? (ちなみにこの話には何の教訓もありません)。


05/12/24
・なんとこのクリスマスイヴの良き日(?)にMYSCON7の開催予定が発表になりました。今年の開催は4月。場所はいつものところです。ちなみに、今回のキーワードは「MYSCON、セブン、いい気分」です(嘘。今考えた)。さあ、買ってきた来年のカレンダーorスケジュール帳に書き込む最初の予定をMYSCONにすれば、いいことがあるかもしれません。

・今年はクリスマスに合わせた作品が読めなかった……。


05/12/21
・前々から方方から噂が流れておりましたが、正式に書影も出てきました。二階堂奥歯さんの『八本足の蝶』。ポプラ社より刊行。時が流れても、彼女の言葉は残る。

・以前にやりかけたままになっていた芦辺拓氏の(幻の?)デビュー短編「異類五種」レビューの続きです。その以前に書いた文章も再掲して合わせ技としました。

小畠逸介「異類五種」(『小説幻妖 弐』幻想文学会出版局'86)

「異類五種」にしてひとつの短編としての応募作品でありながら「鬼異」「物異」「人異」「狐異」「神異」という五つのパートに分かれている。「柳斎志異」あたりが下敷きになると思われ、全てが中国を舞台にしつつ、登場人物もその背景となる時代も異なる物語の断片が描かれる。一編一編にも微妙な起承転結がある「物語」だが、その個々の物語というよりも、その断片を五つ集成することによる効果も狙われていると思われる。

「鬼異」 三年に一度行われる、選りすぐりの人材を中央に登用させる推挙の受験者を選別する「郷試」。江蘇省呉県の王啓迪は石造りの独房のなかで数日にわたる試験の総仕上げにあたる清書をしようとしていた。数百年もの受験生の恨みの満ちたこの貢院には幾つもの怪異譚があるらしい……。その王の部屋にいきなり髭面の大男が躍り込んできた。「あの女からかくまってくれ」と叫ぶその狂人は王の部屋で暴れ回り、王は自分の答案用紙が墨を啜るのを呆然と見守っていた……。

「物異」 徐州の趙家の庭に近在でも評判の桃の木があった。趙家のあるじが息子のために家庭教師を雇い、桃の木に面した離れをあてがった。あるじは息子が習ったところを暗誦させて楽しんでいたが、ある日から同じところばかりを繰り返すようになってしまう。息子は「先生がすぐに勉強を切り上げるようにいう」といい、趙は離れに乗り込み伝家の宝刀でその家庭教師を打ち殺した。

「人異」 進士はおろかその手前の試験で十数年足踏みを続ける李清。文で一家を養いたいという願い虚しく今回も「不完」の印判が答案紙に押されてしまう。街に出てふらつき歩く彼の側にみすぼらしい道士が現れ、貴君の官での出世は無理だという。しかし、李清が徳を積めば、その息子ならばといった。李清は父の跡を継ぎ一商人に徹するが、その息子は実に学問向きで有能な人物になりつつあったが……。

「狐異」 儂が潮陽県で県丞を務めておったとき、林という姓の読書人のことで奇怪なことがあった。鬼狐伝の類の通り、林某が深更に及ぶ読書の折、ふいにみめ麗しい女が入って来た。訝るより先に美しさに打たれて会話を交わすと当意即妙、林某はその夜のうちに契りを結んでしまった。それからも女は足繁く通い、細君を金縛りにして房事に及ぶようになる。そして女は自らが狐だと明かし……。

「神異」 朱去病老師は村塾の先生。だが、いつも農人相手の居酒屋でせこく飲んだくれている。しかしこうなる前、彼には壮大なる夢があった。科挙に通って故郷に錦を飾る夢が。しかし利発な少年から中年に至るまで挑戦し続けた甲斐もなく、一九〇四年の科挙を最後に、科挙の制度そのものが終了してしまったのだ。そんなある日、謎の道士が居酒屋の朱先生に、彼が明朝の直系の子孫であると告げる……。

大中国ならではの怪異をさまざまなかたちで描き出し、奇妙な断片から壮大な世界が幻視される――
今の芦辺拓氏の作風しか知らない読者がこの作品を手に取ると、たぶんに戸惑われるのではないか。だが、鮎川哲也氏と共著で『妖異百物語』を編まれている通り、芦辺氏には巷間思われている「がちがちの本格ミステリ作家」という貌とは別に、不可思議な怪奇小説を愛する精神も相当にお持ちの方でもある。そんな”怪異小説作家”としての一面が覗ける作品である。(芦辺氏によると、いずれ幻想小説系統を集めた作品集を刊行したいという意志をお持ちのこと)。
舞台は全て中国。それも、現代中国ではなく中世から近世にかけての中国である。科挙の制度に触れた作品が多く、勉学がそのまま官位に繋がり、一族の繁栄を約束した時代に、その”常識”を嘲笑うかのように発生した怪異が淡々と描かれる。文体に、そういった元もとの中国文学の翻訳調を思わせる堅めの文章となっている一方で、語り口にて講談・落語のような柔らかさが垣間見えるのが特徴だ。現在の作品以上、一文一文に気を遣い、表現を練りに練ったことが伝わってくる。そして一編一編がごくごく短いなか、怪異を通じた皮肉が様々なパターンで物語に込められている。また、怪異の内容と、それぞれの時代性が微妙にマッチしており、本当に違和感がない。いってみれば、この分野の作品として既に完成してしまっている印象だ。
面白いと思ったのは、いわゆる怪異が発生するクライマックスに向けて盛り上げていくといった物語の常道をわざと外している点。それまでの背景描写に比べ、発生した怪異があっさりと描かれていたり、後日譚がメインとなっていたり。そういった普通の怪談文学とは、ずれた構成を取ることで”偽”中国怪談という本作品の特徴が際だっているように思うのだ。そして長短様々なタイプの作品を、無造作といっていいように五本並べて一短編としてしまうあたりもまたその効果に一役買っている。確かに「異類五種」。異なる怪異、異なる五作品ではあるのだが、全体としては幾千もある中国怪異譚をどこからか五編選んできたかのような、壮大な文化的背景までをも感じさせてくれている。

読み終わって恐怖を覚えるとかいうタイプの作品ではなく、幾つか仕掛けがあるもののミステリのような論理的帰結を求められる作品でもない。だが、紛れもなく”幻想小説”であり、遙か中華の国で「あったかもしれない」物語としてするすると心の中に染みこんでくるタイプの作品である。いずれ、再活字化される時を静かに待ちたい。


05/12/19
・たぶん、もう大丈夫だと思いますが念のため。東雅夫の幻妖ブックブログからいらした方は、こちらを参照のこと。(講演レポは12/11〜15の雑文になります)

・はぐれスタッフと化してしまったのであまりお役に立っていませんが、MYSCON7の準備が着々と整いつつあるようで。そろそろ来年開催についての概要が発表されるのではないかな。あえて最近話題の某作家さんと某嬢の結婚式の日は外した設定になっている筈です。(これくらいは現段階で言っても構わないでしょう)。皆さん、発表の折りにはぜひともスケジュール空けてくださいねー。


05/12/16
・別に何を手伝ったわけではないけれど、何かこちらも嬉しい気分になる。初版完売、増刷決定


05/12/15
・東雅夫さん講演会終了後は、休憩中に東さん持参本の即売会が開始される。雑誌『幽』そして、最近、東さんが紀田順一郎氏と共に編纂された『日本怪奇小説傑作集』(創元推理文庫)などは普通に販売され、東さんが持ち込まれた稀少本については抽選となる。販売された本のリストはこちらに詳しい情報あり。

・一部ダブりと確信しつつも『日本怪奇小説傑作集』をT〜Vまで三冊まとめて会場でオトナ買い。折角なので東さんに久々に署名を頂いた。東さんのサイン本はもともと複数所有しているものの、会場サインの際に押している「幽」と書かれた落款が魅力的に見えたこともあって。小生の本へではないが、「轟鬼へ、斬鬼こと東雅夫」などと嬉々として東さんがサインしておられるなど和気藹々といった雰囲気で、なかなか眺めていても面白い光景だった。

・で、一方の抽選。会場におられた方の多くは講演だけ聴かれて帰られたこともあって、学生さんと他数人が残っている状態。本は長机の上に並べられ、手に取って閲覧したあと、別に作られた紙に希望者が名前を記入するスタイル。一番人気はダントツ『金羊毛』、二番人気は幻想文学別冊の『中井英夫スペシャル』だったか『タルホスペシャル』だったかのどちらか。あと『日本幻想作家名鑑』なども人気。といっても、全体の希望者が十数人という(買う側にしてみれば)非常に恵まれた状態での抽選会となった。

・希望者が六人以下の作品はサイコロ、それ以上の作品は東さんがカードを持参しており、それを一枚引くというなかなか凝った抽選方法。決まるごとに歓声が上がる。さすがに『金羊毛』を当てることはできなかったものの、個人的にはもっとも欲しかった『日蝕の鷹、月蝕の蛇』が入手できたことが大きい。倉阪鬼一郎さんの歌集ながら希望者が三人しかおらず確率三分の一を引き当てた。(あとで読んでみたが、もの凄いイマジネーションが詰まっており、味わい深い作品集である)。 あと幻想文学関連では未所持だった『タルホスペシャル』も当たりで、これも嬉しい。他、福澤徹三さん、加門七海さんのサイン本を一冊ずつ。こちらは何故にか希望者が冊数と同じ人数となって無抽選。結果的にだが、幻妖ブックブログに「味のあるサイン」として写真の出ていた二冊を両方購入させて頂きました。ありがとうございます。

・抽選会終了後、もう少しいろいろお話したかったのだが、体調が完全ではなかったのでご挨拶して辞去。自転車飛ばして帰りました。充実、かつ濃厚な時間が過ごせました。改めて東雅夫さん、及び講演開催に尽力された関係者の方に御礼申し上げます。


05/12/14
東雅夫さん講演会 in 園田学園女子大学つづき。

・新耳袋から、一つ具体例が取り上げられる。洗濯物を干している間に子どもが目撃した、「お稲荷さんたちがアパートの部屋で暮らしている」話。こういった怪談話は、人が生活するなかで無意識のうちに忘れ去られがちなのが、ヒアリングすることによって浮き出てくる。お年寄りとのコミュニケーション。「怪談の怪」や「新耳袋」の趣旨として、生活のなかで見落としている怪異譚を、再発見することによって生活に潤いが出る(ちょっとここで花王のキャッチを思い出したことは秘密だ)……といった、講演の趣旨でもある「怪談生活のススメ」的な発言が続く。

・ここで、その東雅夫さんをはじめとする「怪談の怪」な人たちが、これだけ怪談を集めておきながら自分自身たちは怪と出会ったことがないといった話になる。(実際は、本人が気付かないだけでいろいろと他の人からは怪しい何かが周辺で目撃されたりしているらしい)。そんな東さんが体験したちょっと奇妙なお話。『幽』の特集の一環で「夜叉ヶ池」の取材に行った時のこと。ちなみにこの「夜叉ヶ池」には龍神伝説があり、泉鏡花の戯曲の舞台となっている場所で、山登りをしなければ拝むことが出来ない神秘的な場所にある。そのために宿泊した民宿での出来事だ。加門七海さん、カメラマンさん、その助手さん、編集さん(実際は名前でお話されていた)らが、山から下りてきてその民宿に二泊目をしたその晩のこと。

・夜中にカメラマンの助手さんが、寝ているとぼそぼそと声を潜めて誰かと会話しているのが、同室の東さんのもとにも聞こえてきた。本来寝付きの良い東さんだが、この時はなぜか目が覚めた。離れになった民宿は真っ暗。あまり広くない和室で男性陣三人が川になっている状態で、誰も会話する相手などいないはず……。と、突然、その助手さん「うああああああああ!!」と絶叫して飛び起きた。

・東さんが「どうしたの?」と声を掛けるも、彼は肩で息をしており返事が出来ない。後で話を聞いてみると……彼は夢うつつのなかで誰か男と会話を交わし、そして突然、その男が寝ている彼の肩をつかんだのだという。

・これに更に加門七海さんが「ああ、やっぱり」と言ったというエピソードが加わる。(この方は、そっちの方面のものがよく視えてしまうことで有名)加門さんと、この助手さんを含む男性陣が、前の晩に何もない旅館回りをお散歩に行っていたという事態が強烈な伏線となって後から効くのだ。写真を織り交ぜてのお話は臨場感抜群。話術の妙も絡んで多いに盛り上がった。これがどういう話かは、『幽』に書いてある……らしいです(すみません、確認してません)。

・このエピソードが終わり、このイベントがオープンキャンパスであることを急に思い出したかのように、東さんなりの大学生活観みたいなものが示される。「幻想文学」を立ち上げた頃の話などなど。……というあたりで講演は終了。一時間半は長いかなー、と思ってもいたものの、あっという間に終わってしまった。振り返ってみれば、結構な人数が部屋にいた。講演終了後の休憩時間に東さんとようやくご挨拶をする。なるほど、中井英夫十三回忌法要の帰り道(?)でいらっしゃいましたか。


05/12/11
・ということで、行って参りました。東雅夫さん講演会 in 園田学園女子大学。本来の題名は、未来デザイン学部開設記念セミナーU「怪談生活のススメ」ということで此度、新規に開設される学部の記念講演というかたちで、同大学のオープンキャンパスに合わせて開催されたイベントの模様。東アジア恠異学会にも所属される(副代表)同大の大江篤助教授が中心となって開催されたもので、どうやら、大江先生は「怪異・怪談の文化」という授業も大学で行っているようです。大学でも、今はこういうことやっているんですねえ。

・さて、講演。女子大というので入るのに緊張するものの、さしてトラブルもなく会場へ。いわゆる大学の中ホールといった感じで、会場入り口では即売会用の本が陳列されているものの、販売は開始されていない。中に入って会場を見渡すが見知った人はいない(たぶん)。台湾の人の怪異譚をインタビューしたテープが淡々とBGMがわりに流されており、雰囲気は盛り上がっている。ただ、世話人の人たちの一団から「もうりょうが……」「響鬼が……」なんて会話がとぎれとぎれに聞こえてくる。ああ、こういう世界もあるよなあ……と感慨深い。手持ちした本を読みながら開始を待つ。

・会場には最終的に5〜60人は入ったであろうか。しかし、聴衆の世代が見事にばらばら。若い男女学生がいる一方で、白髪のお婆さんや、壮年のおじいさんなど年輩の方もいらっしゃるようで、小生のようなおっさんが却って少ない。大江先生による東さんの紹介から、講演開始。

・まずは雑誌『幽』の編集長としての立場からか、その内容の紹介から。「怪談をエンターテインメントとして楽しむのがコンセプトで、主に小説・実話・漫画を三本の柱としており……」 壇上の白幕にプロジェクタを通して東さんの手元の写真を写しだして説明するといった進め方で、薄ぼんやり闇の中に浮かび上がる講演者の姿はそのままで怪談調。内容は非常に分かりやすい(平易な)ところから入っているので初心者にも恐らく内容は分かっただろうと思う。そして「怪談の怪」の設立時の話、中山・木原両氏と京極氏の笑撃写真等々を見せて頂く。しかし、いわゆる指示棒がさりげなく変身音叉・音角なのに吹き出した。


05/12/10
・うあああああああ、忘れてた。怪談生活のススメ。 東雅夫さん講演会 in 園田学園女子大学。今日(11日)14時〜 ではないですか。これはあまりにも近所なので、完治してませんが行ってきます。自転車で。


05/12/05
・初心忘れるべからず……なんて言われても。

・先般だらだらとネットを巡回していた時、よしだまさしさん@ガラクタ風雲リンク集の、ワタシに関する記述で「たとえ高熱に倒れようとも、1日1冊のブックレビューを続けるフクさんの情熱にはひたすら頭が下がる。」てな記述があることに気付く。ああ、そういう時期もありましたねえ。あの頃、ワタシも若かった。

・というか、この文章を打刻しているこの瞬間、38度ほどの熱があってまして。今、更新すりゃ「初心完徹だな……」とか、一瞬思ったわけですよ。でもよくよく考えてみたら、そもそも毎日更新の看板なんてとっくの昔に下ろしちゃっているのでありまして、単に不定期更新と発熱が重なっただけやん。

・この週末、さすがに上京できませんでしたので小生不参加でしたが関係者による打合せが行われました。来年もまた(何のことかは分かりますね?)宜しくお願いします>皆さま。


05/12/04
・結局レポート完結まで一週間いるのかよ。「名探偵ナンコ」続き。

・さて、続いては今回メインとなる探偵講談「S巻美人」(原作・竹葉散人)。S巻というのは明治時代に女性のあいだで流行った髪型を指すらしい。以下、人名は適当に当て字を入れてますんで原作と違うかもしれない点は御容赦。

・物語、まずは沼津駅のホームに到着した「すこぶる美美美美人」(明治時代のギャグらしい)が、下り列車に乗って去ってゆき、その後から八の字髭を生やした恰幅の良い男が追ってくる場面からスタート。女性の正体は不明だが、男は東京からやって来た探偵だった。一方で、名古屋。兄・平井道蔵と妹・お絹は母親と三人暮らし。父親は亡くなっていたが、幸い兄の雑貨商売が成功して暮らし向きは悪くない。お絹は「ハイカラ式お転婆娘」(これも原文のまま)で、髪の毛をS巻にした、これまたすこぶるつきの美人であった。今年、二十歳になるお絹に対し、叔父の吉川慎之介が縁談を持ち込んだ。良い話であったが、お絹は「年回りが悪うございます」と謎の理由で固持するのであった。どうやら彼女には憎からず思っている男性がいるらしい……。

・とまあ、時代性あるどこかのホームドラマのように展開するのだが、中途からいきなり物語は変転。お絹が、慎之介らと海水浴に出た先の浜松で謎の失踪を遂げてしまうのだ。しかもそれから暫く経って、お絹のものと思われるS巻美人の死体が比叡山の山中から発見され、遺族は涙ながらに確認をした(ここはポイントであろう)……。さらに探偵が登場していろいろと怪しい場面があるなか、若干尻切れトンボ気味に終わる。これは探偵講談ならいつものこと。しかし、最後の最後、南湖さんが語った結末にて聴衆は一斉にのけぞることになるのだった。「あ、ありですか、そんなの」 いやー、南湖さんはこの 尻切れトンボ加減をしきりに恐縮しておられたがそんなことはない。この結末の唐突さがひとつ講談の魅力でもあることだし。どうも、この作品は講談として伝わる「社会主義三人娘」と同一なのではないかというのが南湖・芦辺対談での推測。

・後かたづけを終えて恒例の打ち上げへ。(こっちの打ち上げは出たのねワタシ)。卓が分かれた関係で(いや、女性がいなかった関係でか)、朱鷺野耕一さんや大熊宏敏さんらとミステリやらSFの真面目な話で盛り上がる。ということで深夜のお開き。探偵講談関係の皆様にはちょいと気の早い「良いお年を」ということで。

・次回は来年、1月29日の予定。楽しいですよ。


05/11/30
・週末の日曜日はご存じ「名探偵ナンコ」

・第百回目を節目とすると、とうとう四分の一までやって来た名探偵ナンコ、第二十五回めはいきなりナンコさんの謝り節から始まった。ご結婚を控えて(めでたい)大阪市内は森ノ宮に越して来たのだが、五十箱のダンボールのどこに仕舞ったのか分からなくなって、ネタ本が見つからなかった等々。まあ、いつものことだ。大阪のお客さんはゆるゆるなのでOKなのだ。しかも新居から、夜空にライトアップされてそびえる大阪城を眺めて「いつかはオレのものにしてやる」という意気や良し。目指せ、上方講談界のプリンスから大阪の帝王へ(なんか違うような気もするが)。

・最初は例のごとく古典講談から。今回のお題は「那須与一」。源平盛衰記の有名な場面、平家方の絶世の美女・玉虫前に煽られ、舳先にぶら下げられた扇を射抜いて見よと挑発される源氏方。義経の号令こそ響くが、並み居る弓の名手たちが、失敗を恐れて次々と後込みしていくなか、その役目を仰せつかったのは那須家の十一男だった。十人を超えて生まれた息子に親が名付けた名前は、余りものを意味する与一。まだ十代の若者であった。確かに弓の才能はあったが、あまりといえばあまりの大役。失敗したら海に身を投じて我が命を絶つと思い詰めた那須与一の勇姿。

・こういった背景や人物が、あたかも眼前に立つかのような錯覚に陥る旭堂南湖さんの見事な語りと描写。装いだちを語り、馬が海を駆け、あたりが固唾を飲んで静まりかえる……。 物語としての結果を知っているにも関わらずこの迫力、このどきどき感、堪りませんなあ。

・古典講談のお次は、今回が二回目となる「芦辺拓の文藝パノラマ館」。前回は黒岩涙香だったが、今回選ばれたのはなんと鶴屋南北「東海道四谷怪談」。セレクトの意外性はさすが。日本人ならば誰でも知る作品ではあるが、物語は口語体ではなく、歌舞伎台本が岩波文庫で出ているとのことで、そちらの読み上げに入る。もちろん「いちまーい、にまーい」といった有名な場面ではなく最初は四谷左門が乞食に身をやつし、他の乞食たちから襲われる場面、次は娼婦がロリコンと年増好みのあいだを行ったり来たりして二人いっぺんに相手をするというユニークな場面など。また、薬を盗んだ男(誰だっけ)が悪漢たちにひどい目に遭わされる場面……(考えてみると、涙香の時もそういう場面があったような)というような、会話のやり取りがリズム良く、面白い部分が選ばれている。

・そしてそういった会話の妙を伝えるのが恐らく今回も趣旨だったのだろう。だが芦辺さん、今回はちょっと準備不足だった模様で、補足説明などが多くなりすぎて全体の構成に若干余裕がなかった印象かな。時間が来てなし崩しに終了してしまったのは少し残念。説明→朗読とうまく順序立てて進めていれば前回同様に成功したものと思うのだが、どうだろう。


05/11/27
・「MYSREC in 大阪」レポ2

・続いて、ミステリ・ヘキサゴンの第二組。二回戦はスタッフの進井瑞西さんが集中攻撃に合い、自己紹介のターンを待たずに沈没させられたのが印象的でした。第三組はそれまで司会だったshakaさんが回答者に入り、代打で小生が司会。しかし特に三組目については、出題者がshakaさんを事前に想定していたらしく、一部激ムズ問題含んでいて面白い。しかし「Malice Aforethought」の邦訳題名とか分かりますか? 会場にいた全員、海野十三が『空気男』という作品を書いていたと知らず騒然としたり。そういや昨日書き忘れたけれど、第一組にも「MYSCONの現在の代表はshakaですが、前の代表は誰?」という激ムズ問題があったのだった。組み分けみての狙い打ち。そんなこんなで大盛り上がりのうちに終了。

・続いてのゲームは「汝は人狼城なりや?」(城が入っているのがポイント)。とはいっても一部で有名な「汝は人狼なりや?(人狼BBS)」のオフライン版。ある村に侵入し、村人に化けた人狼と村人たちが戦うというゲーム。二十人が二つに分かれ(マスターが一人いるので)九人ずつが自分の番号を持つ。そのうち、二人が人狼、一人が霊能者、一人が占い師となり、日中は村人が投票で人狼と思われる人物を吊し(対象者は退場)、夜中には人狼が村人を噛み殺す(同じく退場)で、村人が人狼と同数以下になれば人狼の、人狼が二人とも吊されたら村人の勝ち。BBSだと延延と続ける印象があるものの、九人でやっても1ターン15分でなんと終了する点がまず意外。

・川を隔てて建つ、フランス人狼城(マスターすずる)、フ人とドイツ人狼城、ド人(マスターゑんじ)に分かれてプレイ。導入部を絶叫する進井瑞西。プレイ開始。人狼や占い師が活動するあいだ、村人は顔を伏せてプレイするのがどうかな(気配で誰が人狼か分かっちゃう)と最初は思っていたけれど、二班同時進行のおかげで何かとがたがた雑音が多く、誰がそっと顔を上げているのか分からない。占い師が鍵。特に各回、第三ターンの攻防が面白かった。我々の班(一回目、二回目)は、室長飛鳥さん、くにももさくらさん、ササハラさん、進井瑞西さん、atkさん、かすりさん、沖唯章さん、さん、嵐山薫さん、とワタシ。室長飛鳥さんとワタシと、議論を誘導する二人の常にどちらかが人狼というパターンだったため、相互に殺し合う展開。参加した三回は、人狼勝ちが二回、村人勝ちが一回。も一つ意外だったのは、死体になってもゲームを端から眺めているだけでも結構面白いという点か。

・好評のうちに終了。もうひとつ、終わったあとに反省を語り合うのがまた楽しい。ただ、これはルールと条件が揃わないとどこでも誰でもできるものではない感じ。実際のBBSはもっと複雑で、狩人や狂人といった不確定要素が増えるしね。ただ、今日参加した人のなかから、BBS参加者が出てくるのも間違いなさそう。

・三つ目にして最後のゲームは「ミステリ・ジェスチャーゲーム」。MYSCON大喜利でもやったらしいが、シンプルにして爆笑必至のイベント。つまりは、数名が一組になって、一人が問題をみてパントマイムで演じる姿をみて、ミステリのタイトルを当てるというもの。皆さん、大真面目に熱演、これも盛り上がった。文章であの動きの変さを伝えるのは無理だ。

・ということで、13時開始のMYSRECも18時15分頃終了。いやー、楽しかった。ごくごく若干のミステリの基礎知識は必要かもしれないけれど、そうでなくとも十分楽しめます。当日進行のスタッフの方々に問題作成担当のスタッフの皆さま、本当にお疲れさまでした。打ち上げ、参加できなくてすみません。今回参加できなかった方も、次回以降、どこで開催されるか分かりませんが、これは費用対効果の非常に高い優れものイベントであることは間違いないので、是非参加の御検討をされることをお勧めします。(その前に本番かなー。本番でも人狼やりましょー)。


05/11/26
・「MYSREC in 大阪」に行ってきました。

・参加者はこちらで公開されている通り、一般参加十名、スタッフ十名の合計二十人。スタッフの一部は東京方面からわざわざのご来阪。さらに実際に会場に現れない下積み(?)スタッフもいるので、準備は大変だったのではないでしょうか。とはいえ、スタッフもゲームに参加するので(一般参加のワタシも司会を一部したりしたし)で、ミステリ好き二十人でわいわい遊ぶというイメージ。先に言っておくと、別に共にいらっしゃる友人とかがいなくて、お一人の参加だとしても、企画の関係もあって全然問題はないように思われました。

・前回「MYSREC in 東京」は、遠方居住につき参加できずレポートだけをぼうっと読んで「ふーん、面白そうだなあ」とぼんやり感じていた程度だったのですが、これは百聞は一見に如かず、一度、参加さえしてしまえば嵌ること間違いなしのイベントですねえ。

・家を出るのが遅れて、会場に入ったのは開始時間ギリギリの12時57分。小さな会議室の前に白幕があり、プロジェクタがセットされている。その周囲をぐるりと会議室机で囲ってあり、既に名札が。一組目ですか。周囲を観察する間もなく、MYSREC代表の近田鳶迩さんによる開会のことば。……が、鞄を忘れてそのなかに新幹線チケットを入れていたとのことで、ツッコミ入りまくり。まずはミステリ・ヘキサゴン。三組に分かれて行われるクイズ形式のゲームで、一組目に参加した。

・「帯」「デビュー作」「ベストテン」「作者」「MYSCON」……などと出題はジャンルに分かれており、それぞれに松竹梅の三つの問題が準備されている。ジャンルは、三組とも若干異なっていて、どのターンに参加するかは運次第。三組目には「海外作品(原題)」なんて、ワタシにとっては超不得意な問題もあったし。問題は梅→松の順に難しくなるが、会場で「これが松かよー」なんて声も飛び交っていたので、一概にはいえないみたい。少なくとも、東京の時の問題より格段に易しくなっていることは後で判る。

・まず最初に回答者の一人が問題を選ぶ。最初の問題は「西尾維新のメフィスト賞受賞作は何?」。これに対し、残りの回答者が回答を手元の画用紙にマジックで書く。その答えが間違っていそうな人に、問題を選んだ回答者が「○○さんにヘキサゴン」とツッコミ、回答が間違っていたら指摘された人に×、正解だったならばその人を選んだ人に×がつく。×が三つとなったら退場……というルール。昨年のこのミス一位の題名が思い出せなかったり、ぎりぎりまで「オルファクトグラム」という言葉が出てこず冷や汗を書きながらの回答。特に後ろにギャラリーを背負っての座席位置はツライぞ。わからない問題にわかる振りをしたり、その逆をしたりとフェイクとポーカーフェイスの使い分けが勝負を決める。

・気付けば、すずるさんと最後の二人に残ってしまい、当方が問題セレクト「綾辻行人のデビュー作は何?」うあああ、彼女はいったいどう答えるんだあああ? と悩んだ末に「セーブ」(全員が正答を書くと予想した場合に発する)を選択。司会のshakaさんが一瞬、フクさんの勝ち! と宣言したものの、彼女の書いた答えは「十角館の殺人事件」。そっか、そうくるかー、ということで第一組の優勝はすずるさんでした。


05/11/25
・「異類五種」レビューはちょっとお休みして。ばたばたしていて告知が遅れました。事実上、明日の日曜日のイベントです。すみませんすみません。

11/27(日)

第25回『名探偵ナンコ』〜よみがえれ!探偵講談〜

・会場/本遇寺(JR東西線「新福島」・ 阪神「福島」下車、地下鉄2番出口から徒歩5分。JR環状線「福島」下車徒歩10分。福島区福島3-7-38)
 開場/18:00 開演/18:30
 料金/当日1500円
 出演/旭堂南湖「探偵講談・S巻美人」(原作・竹葉散人)、「古典講談・お楽しみ」
 ゲスト・芦辺拓(作家)「芦辺拓の文藝朗読パノラマ館」、「対談・探偵講談と探偵小説あれこれ」

・さて、「MYSREC in 大阪」に行く人も行けない人も、まとめて楽しんじゃいましょう。毎度書きますが、場所が分からない……という方は小生に声をお掛けください。


05/11/20
・津原泰水さんの朗読会が12月11日に「ですぺら」で開催されるみたいです。行きたい、がちょっと上京は難しいか。「音で聴くツハラヤスミ@ですぺら」 参加受付は20日からなので、もう始まっていますね。

・先日、アトリエOCTAより、『幻想文学』のバックナンバーをまとめ買いした話をちらりと書いた。その際にまだ在庫があれば、と申し込んだのが『小説幻妖』という同社がかつて刊行していた小説雑誌の第二巻。即ち「小説幻妖 弐」であり、首尾良く落掌することができた。

・特集の題名は「ベルギー幻想派+幻視の文学1986」であり、現在は「ですぺら」の店主である渡邊一考さんが原稿を書いていたりする点も興味深いのだが、どちらかといえば主目的は「幻視の文学1986」の方。第二回幻想文学新人賞の受賞作品がこの号で発表されている。先に述べておくと第一回幻想文学新人賞の方は、こちらはそれのみで『幻視の文学1985』としてアンソロジー形式で一冊の本となっている。招待作品が豪華で、天沢退二郎、須永朝彦、山尾悠子、菊地秀行、田中文雄、森真沙子、竹本健治の各氏の短編が掲載されており、恐らくかなり売れたのだろう、こちらは古書市などでしばしば見かける。そもそも賞自体、澁澤龍彦、中井英夫が選者を務めており、権威はかなりのものがあったのではないかと推測される。

・第一回幻想文学新人賞は加藤幹也「少女のための鏖殺作法」。加藤幹也氏といえば、いくつもの筆名をお持ちで、近年では話題の評論書『ゴシックハート』を著した”高原英理”名義がもっとも有名でしょう。佳作受賞のうち、牧野みちこは、現在でいうところの牧野修氏であり、宇井亜綺夫というのは……えっと、書いてもいいのでしたっけ。名張市のカリスマ嘱託として名を馳せておられるあの方です。

・第二回幻想文学新人賞を獲得したのは後藤幸次郎氏。(この方は宝石賞を獲得している同名の方と同じ? 調べる暇がなかった……)。そしてこの回は、佳作に小畠逸介氏の名前がある。これが今の芦辺拓氏。この佳作作品『異種五類』が読みたかったのが、本書購入の動機である。(前置きが長いですね、すみません)。また、選者の中井英夫氏が選んだ二十編のうちの一作が『百物語異聞』倉阪鬼一郎……というあたりも興味深い。これは『地底の鰐、天空の蛇』に収録されている作品ですね。

ということで、その『異類五種』がどんな作品かというと……。


05/11/12
・このサイトを開設したのが1997年の11月で、この更新にて九年目に突入したことになります。フクの中の人は一介のサラリーマンなので、下っ端から中堅に至る年次の上昇とともになんか慌ただしくばたばたしがちです。従いまして何度も書いてます通り、最近はすっかり「時間のある時に更新」するサイトとなってしまいましたが、皆さまの長年にわたる御愛顧に感謝致します。

・丸八年のあいだにこのサイトであったことを振り返る。

・トップページのデザイン変更は一度だけ。サイトのプロバイダ変更も一度。内容をざっくり整理するのは二度ほどしたかな。ここ数年はだらだらと駄文を積み重ねるのみ。

・立ち上げ当初は、京極夏彦関連サイトだった。(まだそちらからのリンクの痕跡が……)

・さらにしばらくは、読書系とCMに関するツッコミその他を掲載するサイトだった。

・サイトの開設日が約一年違う、書庫の彷徨人さんのサイトで今回の本文と似た記述があるのが、ちょっと嬉しいです。あちらが先輩。また、当時から続いているサイトも(かたちを変えたり更新頻度は下がったりとはいえ)まだまだ他にもありますので、今後もあきらめ悪く、ぼちぼち続けてゆきたいと思います。


05/11/09
・別に情報サイトになろうという意志があるわけもなく、宣伝を頼まれたわけでもないけれども、当日は所用があって参加が無理なので、とりあえずお知らせ。

・「横溝正史先生 生誕地碑建立1周年記念行事のお知らせ」  一年前、神戸市東川崎町に横溝正史の生誕碑が建設され、このたび一周年を迎えるにあたり、記念イベントが行われるとのこと。メインは山前譲さんによる講演「横溝作品の原風景−−大正末期の神戸」 とまあ、どうなんでしょう、講演内容が想像できるようなできないような。

・ええい、宣伝ついでに。

・これも頼まれたわけではないのだけれど、近く在庫メンテナンスを実施するとのことで、ネット古書店の老舗・ジグソーハウスさんが、先日から断続的にジャンルごとに全品半額セールを行ってます。(「国内推理小説単行本」については先週末終了、続いて「海外推理小説単行本」「SF幻想小説単行本」が近く開催される模様。基本的に良心的な値付けをされるお店ですが、半額になるときっぱりお得。はっきりいって、倍買えます(半額で済むとはいわない)。現在は一時的に通常営業中ですが、しばらく目が離せません。


05/11/07
・ということでカミングアウト。……というほどのことでもないですね。大方の予想通り、「MYSREC 2005 in 大阪」の参加申込を出してみました。まあ、たぶん行けるだろう、たぶん。みんなにも会いたいしね!  えーと、それで古本オークションは? (ありません)。

・よく見ると違う顔なんだけど、遠目の写真なんかで眺めていると顔の造作というか、系統はやっぱり似ていると思う。――落合博満(中日ドラゴンズ監督)と、梶龍雄(推理小説作家)。 梶龍雄の顔と云われても困る人が多数でしょうけれど、お持ちの方はノベルスの見返しなんかの顔写真を見比べてみてください。似てませんかねえ。

・多岐川恭の顔は、父親の元上司にそっくりなんだが、こればかりは説明のしようがない。

・これまたどうでもいいことですが、最近だと経団連関係の記事とかで「御手洗氏」という単語を見聞きするたびに、ぴくっと反応してしまうことはありませぬか?


05/11/04
・「有栖川 有栖のミステリー散歩」(名張市)……って今日じゃん!

・さらに脚本・辻真先&劇団フーダニットによる「真理試験――江戸川乱歩に捧げる」(名張市)……って今日明日じゃん!

・秋はイベントがいろいろと目白押しですなあ。麻耶雄嵩さんの講演も今日でしたか。個人的には諸事情あって、外で仕事をしてから実家に行く用事があるので大人しくしているしかないのですが。

・ちなみに「今日」は11月5日を指します。


05/11/03
「MYSREC in 大阪」の受付がこの週末から始まる模様です。東京で参加しそこねて悔しい思いをした貴方の参加をお待ちしております。

・あのヘビースモーカーだった倉阪さんが禁煙というところが既に伏線だったとは。倉阪鬼一郎さん桐生未月さんが婚約を発表されました。結婚式は来年三月とのこと。お二方とも存じ上げておりますが、正直、かなりびっくりしましたよ。おめでとうございます。いや、めでたいめでたい。

・↓と書いたからといって「寒くなってきたよぅ・・・」なんて恥ずかしい内容のスパムを送りつけてくるのは止めてください。>どこかの誰か


05/11/01
・ああもう11月。だから「夏は出会いの季節♪」なんて恥ずかしい内容のスパムを送りつけてくるのは止めてください。>どこかの誰か

事前に本の中身をチェック Amazon.co.jp、書籍全文検索を開始 十三万冊という数字が多いようにみえて実は大したことないのではないかと思ってみたりもするが。実際、学術系や調べ物には使えそうな機能だけれども、エンターテインメント系読者だとちょっと使うことはないような。でも「密室」だとか「アリバイ」だとか定番キーワードを放り込んだ時にどんな作品がアタマに出てくるかはちょっとだけ気になる。