短歌の読解ノート2 目次 「かばん」会員の歌に偏っています。  下に引用歌一覧


 短歌の読解ノート1は『短歌の生命反応』という本にまとめました。現在このホームページにはありません。

 読解は評価ではない。そもそも、私が良いと思うかどうかなど、ものすごくどうでもいいことだ。私の興味の中心は、説明しにくい要素を説明することにあって、歌や作者をほめようとはぜんぜん思っていない。

 もっとも、何かしら「良い」「効果的」などと感じたから、それを説明したくなったのであって、けなすための読解は一切書かない。


★東京文学フリマ フリーペーパー こちらに置いてあります。

★短歌の読解ノート2  →引用歌一覧

 2010.4.16                            杉崎恒夫さんの歌 2010.4.17               2010.4.26

 2010.4.26                            2010.5.3                                              2010.6.23 (2010.11.3追加)

 [別世界]の気配2010.6.26     雪のなかのパン屋さん――実況・杉崎さんの歌の世界に迫る 2010.7.2

 2010・12・14                          10 2010・12・15                                       11  欠番

12 「蟻地獄」と「星空」  2011・01・22  13 読者が補うこと1  川柳を読んでみた(1)2011・2・10

14 色鉛筆はなぜ寝て削る?―かわいいペット 2011・2・10  15 読者が補うこと2  川柳を読んでみた(2) 2011・02・10

16 読者が補うこと3  川柳を読んでみた(3) 2011・02・17  17 2011,6,26 愛の非礼――なぜ「死なば愛さむ」なのか

18 語呂合わ世界 2012.7.11  19 最近印象に残った歌 2012.7.11 20 重奏――歌に読者を臨場させる 2013.2 

21 (20の続き) 「かばん」2012年12月号拾い読み 22 「集める」を集めてみた2013・10 

23 領域の移動 語彙圏など 2014・2 24 神仏の死体 ほか 2014・4 25 最近書いた評論から抜粋 2014・7

26 私たちを巡るもの 2014・7 27 人と世界の構図を詠み直す2014・9

 このあとはfacebookページに書くことが多くなったため、こちらのコーナーはいま放置状態になっています。
 ※facebookページはトモダチにならなくても閲覧できます。


■引用歌一覧

短歌の読解練習1 2010.4.16

■エスカレーターにせり上がりくる顔顔顔 朝のホームは魔術師である 杉崎恒夫

■あさやけのひかりのなかにおのれのみかんじるちからみなぎるちから 高丘きねこ(ていだきねこ/丁田杵子)

■聴診器ひやりと胸に吸いつけばつながっている母、祖母、曾祖母   雪舟えま

■春満ちてヤツデ艶めくパシャパシャンと光合成の音が聞こえる   大澤美枝子

■唇をふるわすように鐘の音がくる たそがれの時空を縫合しながら  井辻朱美

メモ1−1:歌にはっきり書いてない要素を推理する

メモ1−2:作者も気づいていない場合がある

メモ1−3:要素分解

メモ1−4:ちょっとでも気になったことは無視しない

メモ1−5:読み捨ては鑑賞でも批評でもない

メモ1−6:見事な表現には圧倒されよう

短歌の読解練習2 杉崎恒夫さんの歌 2010.4.17

■晴れ上がる銀河宇宙のさびしさはたましいを掛けておく釘がない 杉崎恒夫

■雪ふればふるとてかなし理髪屋のねじりん棒の無限上昇 杉崎恒夫

■三月の雪ふる夜にだす手紙ポストのなかは温かですか 杉崎恒夫

■ねむりゆく私の上に始祖鳥の化石のかたち重ねてみたり 杉崎恒夫

■この不思議な磁力のなかをすりぬける左右にならぶ鯨と機関車 杉崎恒夫

 メモ2−1 読者の側で補う要素

 メモ2−2 歌人の気概

 メモ2−3 素朴な認識力

短歌の読解練習3 2010.4.26

■がぼぼんと地下のオフィスの水脈を鳴らして一口分の生きてる 鯨井可菜子

こなぐすりぶちまけざまにほしのこえ こんな荒野に生みおとされて 佐藤弓生

■落日の大音声を纏うときわたしはたれの夫人であろう  佐藤弓生 (2010年6月15日追加)

メモ3−1 長すぎる読解はいつか書き直そう

メモ3−2 離れたものに橋をかける連想力の邪魔をするな

メモ3−3 「意識」は水面下のできごとに協力する   2010年6月15日追加

メモ3−4 ナポレオンの赤いズボンつり     2010年6月15日追加

短歌の読解練習4 2010.4.26

■宇宙にはバオバブの根がみなぎって幾度も生まれてくるゆめの蝉 井辻朱美
■巻きぐせのついたコードを直すには冷たく放っておけばいいのよ 有田里絵
■バッグから今日も四方にうっとりのレコンキスタがはみ出している 杉山モナミ
■次の次、その次も青 自転車は立ちこぎ風が髪つかむけど ふらみらり
■忘れていく予感に泣くほど身も世もなく愛しているとき両足は揃う 柳谷あゆみ

■湯たんぽを抱えて潜る深い闇 いつか羊水から羊水へ  柴田 瞳

■君の住む町にも雪は降るらむかヤフー天気の実況を見る  三澤達世

メモ4−1 評価が目的ではない。が、良いと思うなら良いと冒頭に書いたほうがいいようだ。

短歌の読解練習5 2010.5.3

■休日のしずかな窓に浮き雲のピザがいちまい配達される 杉崎恒夫

■半分のいのちとなりしタマネギの切り口がすこし膨らんでくる 杉崎恒夫

メモ5-1 世界を解釈するということ

短歌の読解練習6 2010.6.23

■ハーブティーにハーブ煮えつつ春の夜の嘘つきはどらえもんのはじまり 穂村 弘 

メモ6−1 限られた字数の詩形だから使えるワザ

メモ6−2 究極の形 そのバリエーション

■電車内で傘を差してるおっちゃんは何からその身を守っているの オカザキなを (2010.11.3追加)

メモ6−3 一見わかりやすい歌

■調理法(ルセット)のおもひうかばぬ食材のおほき生簀のまなかをあゆむ 雨谷忠彦 (2010.11.3追加)

メモ6−4 ベタの効用1 

メモ6−5 ベタの効用2

短歌の読解練習7 [別世界]の気配 2010.6.26

■無重力世界にうかび空の上にも都があるかにひらく大鳶  井辻朱美

■「熱源を手にした者は射殺せよ」 銃、カメラ、無線、コーヒーカップ  白糸雅樹

■窓とほく来世かすめるきさらぎの部屋にひねもすおまへを抱きぬ 佐藤元紀

■金魚 達磨 天狗のお面 林檎飴 月夜の小道は赤をたどって 水野 羊

■小手鞠草風にころがる夕まぐれ木戸をくぐって父が出てゆく 笠井烏子

■夜の波が半音低く唸りはじめニライカナイが近づいてくる あまねそう

■砂漠を越えてきた果物を前に解剖の手つきでナイフ持つ  田中有芽子
■ポケモンのような果物生る砂漠行こう手土産にハイチュウイチゴ味持って  田中有芽子

■行き先は決まってないがハイウェイ夜明けの空に交わってゆく  伊波真人

■雨の路地に猫ばかりいて煙草屋の老爺ぽつんと「町は消えちょる・・・」  久保 明
■トンネルをぬけるとそこは雪国で大貧民のルールが違う  市川 周

短歌の読解練習8 2010.7.2   雪のなかのパン屋さん――実況・杉崎さんの歌の世界に迫る

■(杉崎恒夫の短歌多数)

短歌の読解練習9 2010・12・14

■かくばかりわれをもとむるいのちあり網戸を隔て蚊の裏をみつ 雨谷忠彦

短歌の読解練習10 2010・12・15

■掃溜めのあをいライトのしたにゐて静脈をもうさがしだせない 雨谷忠彦

■意外にもよく喋るひと森になって聞けば内耳の季節が変わる 柴田 瞳

短歌の読解練習11 ――欠番――

短歌の読解練習12 2011・01・22 「蟻地獄」と「星空」 

■かきくもりあやめも知らぬ大空にありとほしをば思ふべしやは  紀 貫之

短歌の読解練習13 2011・02・10 読者が補うこと1  川柳を読んでみた(1)

■日に三箱ちる山吹は江戸の花 古川柳

短歌の読解練習14 2011・02・10 色鉛筆はなぜ寝て削る? ―かわいいペット

■草わかば色鉛筆の赤き粉のちるがいとしく寝て削るなり 北原白秋

短歌の読解練習15 2011・02・10 読者が補うこと2  川柳を読んでみた(2)

■六階へ上がるうどんと乗り合せ 金泉萬楽(川柳)

■隅占めてうどんの箸を割り損ず 林田紀音夫(俳句) 2011・02・16追記

短歌の読解練習16 2011・02・17 読者が補うこと3  川柳を読んでみた(3)

この道は夜鳴きうどんの通る道  中村重治 (川柳)

  メモ 鍋つかみとなるプロット

短歌の読解練習17 2011・6・26 愛の非礼――なぜ「死なば愛さむ」なのか

■死なば愛さむ父のひだり手注射器に一すぢの血のさかのぼるなり 塚本邦雄

短歌の読解練習18 2012・7・11

■無主物にそらみつやまとしきしまのみちの表土をすこしけづつて 雨谷忠彦

■ものいへばいのちふるふる国にしてマスクの下にせく言の葉は 佐藤元紀

短歌の読解練習19 2012・7・11

■ねえ夢に母さんがいたとおいとおいとおい日の母さんがいた 東 直子

■大粒のぶどうについた虫のような赤子が向かいの車窓に見えた 野川 忍

■夜を忘れ白い光が街埋む片隅を喉の光と歩く 雨宮 司

■バラ園の黄色いバラをわしづかみしてどや顔のハーフバースディ 本多忠義

■そこここに丸く冷たい箇所がある夏の会議の果ての卓には 田中有芽子

■しらほねのにおいがします春の午後あるじのいない明るい部屋は 佐藤弓生

■性器を模したライターひとつずつ握りこれしかないってやつを探すの 温井ねむ

 メモ 飛び石の省略 ――感性は魔法ではない

短歌の読解練習20 2013・2 重奏――歌に読者を臨場させる

歩いたらわたし手紙になりたいよ空をくぐってあなたにとどく 佐藤弓生

短歌の読解練習2 (20の続き) 2013・2 (のはずでしたが更新は10月になってしまいました。)

肩に花咲かせし君を抱く時に重ぬる我の掌と蓮 川村有史
■生理用品がもうないんだ困窮さサバイバルだよ生活なんだ 渋沢綾乃

■鮮やかな赤い葉を追い風が鳴る誰も彼もが諦めている 有我彩生

■隣の娘 動物の森いる秋の。前髪垂れるやはり秋にいる。 島村和秀

■コンサート誘われウキウキ心浮きおしゃれしてから出掛けよう ゆすらうめのツキ

■喝采だテヘラン全市民祝え ワイン、ミシン、全裸経て大作家 山田 航

■遥かな人たちの気配の中で悲しみに満ちた夢ばかり見る 原田洋子

■南小北小西小東小世界の果てにある小学校 壬生キヨム

■テーブルに付いたコップの丸い痕爪でけずってCにしてみた ながや宏高

■炎天に据わるドアノブ 君とする握手を僕はこわがっていて 久真八志

■君を見ているんじゃないよ昔その壁には伝言板があった あんずひろ

■帰り道何気なく出す左手はきっとぎこちなかったと思う 杉城君緒

■バスタブの栓を引くとき重たくて水はたしかに骨格を持つ 伊波真人

■お弁当三回揺らしバスに乗る金木犀の開きゆく朝 有田里絵

■プッシュする光のほうへプッシュする突き飛ばされるように市バスへ 法橋ひらく

■紫のバス来たるとき君は泣くこぼした地図も拾えないまま 鈴木智子

■教科書でみたままの星座があってほらって言いたい坂道 しずか 鳥栖なおこ

■等高線数えてみたら一斉に鳴り出す空よ坂は静かだ 堀 静香

歌の読解練習22 2013・10

青白いボールがひとつ少女らの指紋をあつめたままの静止 東直子

凩を集めて白い姉を炊く 三浦以玖代(川柳)

刺し傷は風をあつめて青空に玉打ち返すような痛みで ゆきあやね

蜂が眼を集めて空へ供養の日 田島健一(俳句)

青梅に眉あつめたる美人かな 与謝蕪村(俳句)

縄跳びを教へんと子等を集め来て最も高く跳びをり妻が 奥村晃作

やわらかな風の散弾てのひらに五つ集めて風に戻した 木下龍也

だんごむしをバケツいっぱい集めたら誰にあげよう爺もおらんし 東直子

玉虫をあまた集めき玉虫をなべて逃がしきこの白き手に 大西民子

短歌の読解練習23 2014・2

カードキー忘れて水を買いに出て僕は世界に閉じ込められる         木下龍也
(参考)かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭   寺山修司
網棚を初めて使うもう二度と戻れないとは知っていながら         望月裕二郎
大みそかの渋谷のデニーズの席でずっとさわっている1万円         永井 祐
電車の外の夕方を見て家に着くなんておいしい冬の大根  永井祐
秋茄子を両手に乗せて光らせてどうして死ぬんだろう僕たちは  堂園昌彦
水槽を抱えて歩くぼくたちはきっとなにかを忘れたままで          吉田竜宇
ノンシュガーガム噛み締める僕たちはカロリーゼロの時代(とき)に生まれた     天道なお
僕たちは生きる、わらう、たべる、ねむる、へんにあかるい共同墓地で    岸原さや
(参考)星空がとてもきれいでぼくたちの残り少ない時間のボンベ  杉崎恒夫
(参考)ぼくたちは時間を降りているのかな膝をふわふわ笑わせながら  東 直子
(再)
大みそかの渋谷のデニーズの席でずっとさわっている1万円  永井 祐
参考)はたらけど/はたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざり/ぢっと手を見る  石川啄木
一人でも生きられるけどトーストにおそろしいほど塗るマーガリン   佐藤りえ
ええとても疲れるしとてもさびしいでもクレヨンの黄はきれいだとおもってる 陣崎草子
かなしみがかなしくなくてくるしみもくるしくなくて熱だけのある      岸原さや
保健室で想いの丈を測ったら先月よりも縮んでいたよ    久保芳美

短歌の読解練習2 2014・5

塞がないかぎり溢れる眼ざしが低い山ひとつひとつを孵す 温井ねむ

■売りにゆく柱時計がふいに鳴る横抱きにして枯野ゆくとき 寺山修司

闘牛士のように瞳(ひとみ)をみひらいて抱きとるだろう夜の花束 穂村弘

 

短歌の読解練習25 2014・7

■無菌室できみのいのちは明瞭な山脈であり海溝である  笹井宏之

朝礼に並ばされいておとなしい低温殺菌されたる君ら  杉崎恒夫

■琥珀色の海ができたら伝えよう 醸成を待つ心は金魚  柴田 瞳

短歌の読解練習26 2014・7

■玉川上水いつまでながれているんだよ人のからだをかってにつかって  望月裕二郎

■わたくしの口癖があなたへとうつりそろそろ次へゆかねばならぬ  斉藤斎藤

■ダイバーの吐き出す息がサイダーの泡のひとつとして湧きあがる  伊波真人

■どの街にも光があってトーキョーじゃないけど夜の七時にいます  佐伯 紺

短歌の読解練習27 2014・

傘はもう訳に立たない文明を先ほど飲んだものが腑に落つ   壬生キヨム
夏を呼ぶ仕草のように木々は揺れどこまでが夢だったのだろう   田中ましろ
良く晴れた空の青さに強まった飢えによく似た膨らんだもの   若草のみち
地上までを見上げるほどの空洞に注ぎ込まうとした夢だもの   山階基
いきものは空に吸われて人は地に(おはよう、朝だ)星を描いて   柊森比呂

 

★その他の短歌読解 (だいぶ前に書いたもの)

「はかどる雪」と「きしむ塩」 読解の技術ノート1 

■街にふる雪が塩なら輪転機はきっときしんできしんで 止まる    佐藤弓生
■りんてん機今こそ響け、うれしくも東京版に雪のふりいづ   土岐善磨

■芥子のはなとほくに充つる雪の日に唇(くち)少しあきてねむるわがため  葛原妙子

  ほか。

空と身体 他 読解の技術ノート2 (「2」まで書いてこのノートは中断)

  だいぶ前の「かばん」の前号評より抜粋 引用歌多数

ハギレエッセイ 雨の窓の女性

■うつくしき雨降り込めるフィルムの発火してゆくさまをあなたに  古谷空色

 

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