幻の大井川共水うなぎ
  一年を通して、安全で安心・本当に美味しい国産鰻を
   お客様に提供できたらどんなに嬉しいことか…
   
鰻を自分の目で見て作り手の皆様とお話がしたい。

   以前より食への不安・産地偽装が横行している中
   そう自問自答を繰り返していました。
   そんな折、共水の片岡様とご縁あって
   お話することができました…その後も幾度とお会いしては。

   当店が2004年・4月より提供している「幻のうなぎ」
   努力と積み重ねを日夜欠かさず、愛情を持って育てられた
   共水さんの作品です。

◆ 大井川町 共水うなぎ養鰻場 2004年4月

  浜松から高速で一時間弱にある共水さんへ…
   周辺は自然豊かな場所で西は大井川、南に走れば海岸も。
   そして、天気のいい日には富士山も姿を現す羨ましい場所。
   早速、養鰻池周辺を案内していただきました。


  左写真は漬場(つけば)と呼ばれる人口の川。
   池替をする際、この漬場でうなぎの身を引き締めます。
   一昔前、各地の養鰻場では近くの川に漬けていたそうです。
   中に浮かぶ黒い魚籠(びく)は、通称「かぼちゃ」
   この中で弱いうなぎは淘汰、生命力の強いうなぎが生き残ります。

  漬場はもちろんの事、養鰻池の水は全て大井川の伏流水。
   南アルプスに降雨した雪が50年ほどかけて湧き出ているとされ
   ミネラルを豊富に含んでいるので鰻に一番適しているそうです。
   きれいな水はもちろん飲むこともできます。

  ちょうど、今から池入作業が行われるそうで
   中々お目にかかれない貴重な様子を見せていただく事に…
   漬場から次々と「かぼちゃ」が引き上げられます。
   軽々と持ち上げるスタッフさんですが、どうやら相当な重さだとか。

  カボチャ(びく)の中には、ところ狭しとうなぎが…
   この漬場で1〜2日間、身が締めらたそうです。
   シラスから育ったうなぎは徐々に成長し、大きくなるので
   成長期間が経つにつれ、養鰻池が狭くなります。
   鰻にストレスを与えないためにも小まめな池替が必要だそうです。


  このように、カボチャ内のうなぎ尾数を調べています。
   基本は、40キロ相当もの尾数がこの中に入っているそうです。
   こうすることにより、次の池入時には
   どの程度の尾数が養鰻池に入るのか確認できるのです。
   予想以上に、肌理細やかな作業が続きます。

◆ 共水うなぎ養鰻場内

  続いて養鰻場内…片岡様のご説明をいただきながらの見学。
   ちょうどこの日はとても温かく上着を脱いだほど。
   「梅雨〜夏にかけては40℃以上ハウス内でも上部にいると…」
   「調理場とはまた違う熱さがここにはありますよ。」と      

  さて、写真は気持ちよさそうに泳ぐ活鰻。
   共水さんでは、一つの池に放尾する鰻の量は少なく
   鰻にとってストレスのない良い環境を作るそうです。
   実はストレスが多いと雄になる傾向が…それだけではありません。

  初めての見学時に私が釘付けになった「うなぎの昼寝」
   基本、鰻は夜行性のため餌を食べ終えるとグッタリ…昼寝中。
   それでも人の気配を察知すれば凄い勢いでバタバタと逃げます。
   これは、忍び足で近寄ってカメラに収めた姿です。

  うなぎの餌場、その手前には見慣れない色の小石があります。
   実は、その日に与えた餌の時間・量・その他にも
   メッセージが記されていて、共水さんのみ知る秘密の暗号だそう。
   いつ見ても私には解読不可能です…      

  別の池では、先程締められたうなぎが池入される真っ最中。
   スタッフ(池場長)酒井さんが40キロものカボチャを軽々と
   持ち上げては、池の中へ放していきます。
   その御年、70代…鰻業界に携わる方々は本当に元気です。

  池の中でパタパタと回る水車、実はその幾つかは手造りの物。
   そしてこれにも共水さん独自の方法があるそうです。
   昭和30年より共水さんで育てられる「国内最高品質のうなぎ」
   日々の研究とその中で培われ、生まれてきた物が数多くあります。

  ここでは出荷にむけて、うなぎが餌止された状態で待機
   そして大きさによって細かく分類されていきます。
   年間出荷量が 僅か80t(約40万尾)と少なく
   全国でも30数件のみが扱う、数少ない貴重なうなぎ…
   改めてその美味しさを垣間見ることができます。

   そして、スタッフさんには私と同年代の方もいらっしゃいまして
   毎回足を運ぶ度に良い刺激をいただいております。

  ご注文をいただいたお店へ梱包作業…中間業者はありません。
   毎日いただく、ご注文のお電話では
   池によって育った期間や身質など様々な意見交換をします。
   こうして自分の目で見た「安全・安心・美味しいうなぎ」
   私達はお客様へ、より一層美味しい状態で提供してまいります。

最後に…
  初めて共水さんへ行った時の事は今でも鮮明に憶えています。
   時間も忘れるくらい話し込んだ「鰻談義」と「若手のみんなが勉強熱心で、本当に助かります」
   と片岡さんのお言葉どおりだった、スタッフの皆様から感じる仕事への情熱。
   何より心に響いたお言葉…
   「出来る限り天然鰻と同じような環境で、ゆっくりと育てていきたい。」
   という信念を掲げ、常にうなぎを家族の一員のように見つめる気持ち。


   
そして、共水さんで初めて口にした白焼、全てが衝撃的で
   あの日、自分がメモに書いた白焼の感想には…
   うなぎ全体にムラなく脂がのっている、それなのにくどさは微塵もなく
   身から出る脂、火に落ちた時のなんともいえない甘い香り。
   
その美味しさは一度食べれば忘れることができません。

  共水うなぎは食べていただくのが一番です。
   きっと、鰻に対するイメージが変わるでしょう…

   私達は素晴らしい「共水うなぎ」を美味しい「うな重」に仕上げ
   お客様へ提供するお店であり
   共水様・お客様がいてくださるからこそ「うな正」があるのです。
   常に三者間の気持ちを通わせることによって
   初めて「安全・安心・美味しい共水うなぎ」が伝わるのだと思います。
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