輸出戻し税、見直しが必要
2005年11月13日
管理人


トヨタ、ホンダ、日産、ソニー、キヤノン、松下、東芝など大手輸出企業は、消費税の還付金である「輸出戻し税」を受け取り、巨額な利益を得ているという。

日刊ゲンダイ10月27日号によると、輸出額トップのトヨタは、年間の国内の売上にかかる消費税額が1844億円、国内仕入れにかかる消費税額が1512億円、この差額の332億円が税務署に払うべき消費税だが、一方で、輸出における消費税に関する輸出戻し税が2296億円あり、差し引き1964億円の還付金を受け取っている。輸出企業全体では還付金が消費税収入の18%(2兆円)にもなるという。

輸出戻し税とは、輸出国と輸入国で付加価値税(消費税)を二重に取らないためのもので、消費国で課税するのが国際慣行となっており、輸出した事業者に仕入れにかかった消費税を還付する仕組み。日本の場合は輸出売上の消費税の税率をゼロとし、輸出事業者は消費税を払わずに、仕入れにかかる消費税額の還付金を受け取ることができる。ある面では、輸出補助金といえる制度だ。

なお、輸出の消費税率をゼロとすることは絶対的なものではない。EUでは圏内における間接税の調和と国境税調整の廃止が進められており、課税の考え方が、産品の消費国において課税する「仕向地原則」から、産品の生産国において課税する「原産地原則」に変わる動きがあるという。中国では1994年以前、輸出製品に対し全額の税金還付を実行していたが、1995年、96年と、2年連続で輸出還付税金率を低くし、輸出製品に関しては8%の税率(税率17%と税還付率9%の差額)が適用されている。また、アメリカには付加価値税がなく、州ごとに売上税が徴収されている。

奥田トヨタ自動車会長・経団連会長・経済財政諮問会議民間メンバーは、消費税を毎年1%上げ、消費税を16%まであげることを提言している。穿った見方をすれば、トヨタ自動車が消費税還付金として6000億円受け取ることを目論んでいる、と推量されるだろう。

「輸出戻し税」については、輸出還付税金率を半額にするとか、世界の国と協議し「原産地原則」を導入するなど対処すべきではないかと考える。

医療費抑制の政策検討、決定の動きを見ても、奥田氏ら経済財政諮問会議民間メンバーと厚生労働省など官僚が対立し、妥協点を見出す流れがある。国会や政治家が本来の立法の役割を担っていない。

奥田氏ら民間メンバーと官僚が、お互いの利害関係を調整し、法人税、所得税、消費税など税制や年金、医療など社会保障制度を決めているように思える。

日本の税制や社会保障制度がトヨタ自動車と官僚の利害で決められてはいけない。輸出戻し税もこれらの議論の中での大きな要素になっている。今の輸出戻し税の制度の見直しが必要だろうと思う。

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