柊鰯の最初の記録は土佐日記であり、正月の注連縄に挿されていたことが分かります。ところが、このことを知る以前に、京都の祇園を歩いていて、お茶屋さんの門口に笑門という文字のかかれた板がついた注連縄に、なんと柊の枝が挿してあるのを見つけました。 もちろん注連縄ですから、ほかに裏白、橙などもついています。このような注連縄をつけたお茶屋さんが3軒くらいありました。

 その後、何と関東の栃木市の住宅地で同じ注連縄をつけた住宅を発見したのです。そこのご主人にうかがったところ、それは伊勢神宮で正月に戴いてきた(実際には買ってきた)注連縄とのことでした。

 さっそく調べてみたところ、日本全国の神社で売っている注連縄のうち、伊勢神宮のものだけに、柊の小枝が刺さっているのです。

 おそらく、平安時代の形のうち、なよしの頭は消えても、柊の小枝はそのまま伊勢神宮の注連縄には残って現代に続いてきているのでしょう。さすが伊勢神宮だと思いました。

   祇園のお茶屋さんの注連飾り               栃木市の住宅の注連飾り
    
 共に、向かって右の枯れた葉が柊であることは、葉に棘があることから明らか。栃木市の橙の下に見えているのはヒサカキの枝であろうか、右の柊の下の1枚見えている大きな葉はユズリハのように見える。


注連縄と柊鰯