※ 編成について
   M : 2パートのマンドリン・マンドラ・マンドロンチェロ・ベース・ギターの6パート
   P : 打楽器
   F : フルート


Promenade Ⅰ

 作曲 : 1995年
 初演 : 広島マンドリンオーケストラ(広島社会人団体の合同演奏)
 演奏時間 16分  編成 M

  曲は5拍子のリズム及びメロディーによって導かれ展開していきます。5拍子は普段耳にする事の
 少ない拍子ですが、流れにのると3拍子や4拍子と同じように自然に聴くことができると思います。
 本曲はこの5拍子を基本に、スタンダードな拍子との違いによる効果を期待して作曲しました。
 そもそも本曲で出てくるモチーフは、東京に行った際に時間の流れの速さを感じて作ったものです。
 都会の時間は期待や不安、喜び悲しみをすべて飲み込んでしまっているようでした。それらを表現し
 たくて音符を並べてみたのがこの作品です。私は曲を書く時はいつも「メッセージのあるものを」と
 考えています。この作品をお聴きになられた方がいろんなシーンを感じて頂ければ嬉しく思います。


Promenade Ⅱ 「三つの風景」

 作曲 : 1997年
 初演 : プロムジカマンドリンアンサンブル
 演奏時間 20分  編成 M

  本曲は「北の風景」「海の風景」「道の風景」の3章から構成されております。もうおわかりの事と
 思いますが、この三つの風景とは北海道の風景の事です。1996年、プロムナードⅠが北海道初演と
 なり、私は初めて北海道に行く機会に恵まれました。この曲はその時に見た風景を五線紙にスケッチし
 たものです。皆様の持っておられるイメージと比べてお聴き下さい。

 「北の風景」」
   北へ向かったのは11月末。真っ白な大地を想像していたのですが、一面銀世界というには早すぎる
  訪問でした。しかし風景は冬そのもの…うす暗い雲が大地にふさがり、凍えた木々に風雪が容赦なく襲
  いかかります。本当に自然は凄いと感じました。期待と不安に心揺れながら、私の乗った電車は更に北
  へと走っていきます。
 「海の風景」」
   小樽に向かう電車は海沿いを走ります。鉛色の空、それをうつす海。波は電車までのみこんでしまう
  くらい激しく暴れていました。そんな荒々しい風景ではありましたが、なぜかその海に寂しさを感じま
  した。色々なジャンルの作曲家がこの北海道を題材にして曲を書いていますが、この風景を見れば何か
  を感じないわけはありません。この私でさえ無言のまま海を見つめ、以前書いたモチーフを頭の中でく
  りかえしていました。
 「道の風景」 
   降り続く雪は歩いてきた足跡を次々と消していきます。そして目の前の風景をも私から奪おうとしま
  す。どこまでも続く道。私は今まで歩いてきた風景を思い出しながら、そしてこれから出会う風景を夢
  見ながら、どこまでも、どこまでも歩いていきます。


Promenade Ⅲ 「奇跡の詩」

 作曲 : 1999年
 初演 : プロムジカマンドリンアンサンブル
 演奏時間 20分  編成 M P F

  この曲はプロムジカマンドリンアンサンブル第20回記念演奏会の為に作ったものです。
 作曲するにあたっては、プロムナードシリーズを大きく3つに分け、その前期の作品として第1番・2番・
 3番をひとつのシンフォニーとして完結するように心がけました。第1番は東京を題材に、第2番は北海道、
 そして第3番は私の住む広島を題材に選びました。「おきてしまった悲しい出来事は、一瞬にして目の前の
 道を奪ってしまいます。しかし前に向いて歩いてきた人達によって、現在の幸せな時間が存在しています。
 いつまでも忘れてはならない事、それが広島にはあります。」曲はそんな過去の悲しみと復活のモチーフが
 平和の詩によってつながれていきます。そして永遠の平和を願い、復活のモチーフのユニゾンによって力強
 く曲を閉じます。終盤には平和の鐘を鳴らしたいと考えていたのですが、それはお聴きになる皆さまの心の
 中で鳴らして頂ければ幸いです。


Promenade Ⅲ

 作曲 : 1999年
 初演 : 未発表
 演奏時間 10分  編成 M

  日本マンドリン連盟の第6回合奏曲作曲コンクールの制約に準じて作った作品で「奇跡の詩」と同じモチーフ
 です。コンクールでは次位という評価を頂きました。すでにこのモチーフは「奇跡の詩」で完成させましたので、
 作者としては「奇跡の詩」の演奏を希望します。


Promenade Ⅳ 「幻想」

 作曲 : 1999年
 初演 : 楽団「プロムナード」
 演奏時間 8分  編成 M

  私はマンドロンチェロの音色が大好きです。しかし、マンドリン独奏曲はたくさんあるものの、マンドロン
 チェロの独奏曲は目にすることがありませんでした。そういった現状から1996年に独奏作品を作曲しました。
 この曲はそれを元に合奏曲にアレンジしたものです。そしてこの曲にプロムナードのナンバーをつけたのは、
 もっとチェロという楽器が独奏楽器として活躍してほしい気持ちからです。この曲が多くの人に聴かれ、独奏
 曲にも興味を持って頂けたら嬉いです。


Promenade Ⅴ 「カクテル・ダンス」

 作曲 : 2000年
 初演 : 楽団「プロムナード」
 演奏時間 12分  編成 M

  吉水秀徳氏の指揮によって初演されました。もともとマンドリンの二重奏ですが後半の部分が付け加えられ
 合奏曲になっています。
曲はスペインとイタリアの間(?)の民謡とでも言いましょうか、…かなり民族的な作品です。
二人を祝福するパーティーから飛び出した新婦がふらついた足取りで風にあたっていると、後を追ってきた新郎が そっと寄り添います。そして何かを確認した二人はパーティー会場に手拍子で迎えられ、歓喜のダンスを踊るの でした。

Promenade Ⅵ 「Switch Back」

 作曲 : 2001年
 初演 : 神戸大学マンドリンクラブ
 演奏時間 10分  編成 M

  異色な委嘱を受け音符を並べました(^^;。
  中間部にあるフェルマータから曲がスイッチバックする(演奏してきた音符を逆に演奏して行く)という手法
 をとっています。若いパワーによる「音魂」のようなものを表現できたらいいなぁ~て思っています。


Promenade Ⅶ 「Grand Adagio」

 作曲 : 2004年
 初演 : プロムジカ・マンドリン・アンサンブル
 演奏時間 20分  編成 MP

  広島のプロムジカマンドリンアンサンブル第25回定期演奏会の為に作った曲です。
 同団体からは第20回の記念演奏会でも委嘱を頂き、広島をテーマにしたPromenadeⅢ「奇跡の詩」を作曲させて
 頂いております。この「奇跡の詩」は当初PromenadeⅠとⅡの最終楽章として作りましたが、まだまだやり残した
 事があるように思え、本曲「Grand Adagio」は1995年から作り続けてきたPromenadeシリーズの第4楽章と
 して作曲をスタートさせました。
  Promenadeシリーズはこれまでに書いた9作品で完結と考えておりますが、もし新たにPromenadeシリーズで
 作曲する事があるとしたら、この「Grand Adagio」を初演して頂いた指揮者T氏とプロムジカさんの為に書きたい
 と考えています。

【初演時のパンフレットから】
  「Grando Adagio」・・・Adagio(アダージョ)とは音楽用語で遅い速度の演奏を示す言葉です。と言いまし
 ても、この曲がすべて遅いテンポの指定で書かれている訳ではありません。むしろ非常に早いテンポで演奏される
 ように指定されている部分もあります。人間は歳をとるほど時間の流れが早く感じられるようになり、そしていずれ
 死というものに直面します。本曲のタイトルは、このような激しい時の流れの中にありながらも「大きく緩やかに
 生きて逝きたい」という気持ちから「Grand Adagio」と付けました。フィナーレに向かう時間の中で思い起こされる
 様々な情景、そのような回想シーンが曲の半分以上を占めています。これからも私は後悔のない活動をしていきたい
 と思っています。今まで支えてくれた人たちに、またこれからお世話になる人たちにこの曲を捧げます。
                                        2004.6.5 作曲者記


Promenade Ⅷ 「Phoenix」

 作曲 : 2005年
 初演 : フェニックス・マンドリーノ
 演奏時間 15分  編成 M

  宮崎の海と空をテーマに下記のようなストーリーをつけて作曲しました。※( )は小節番号。

 「SKY・・・空」
  海を見下ろす岸壁からの空の風景。             (1~36)
  そこから始まるひとつの運命の物語             (テーマ2~5)
  
  そんな岸壁での命(海鳥)の誕生。そしてストーリーは始まる。(37)
  誕生のエピソード。                    (40~43)

  岸壁から巣立つ鳥たちの不安と勇気。            (44~54)
  空への旅立ち。                      (54)
  風に煽られながらも海原に向かって・・・          (59~62)(69~72)
  うまく風をつかまえて遠くへ・・・             (67~68)

  少し羽を休め、自分の誕生を振り返る。           (83~86)
  その回想シーンと運命のテーマがふたたび・・・       (87~92)
  飛ぶことが自分の運命と逆風に向かって力強く飛び立っていく。(93~107)
            

 「SEA・・・海」
  危険な海。                        (1~43)
  波がうねり、やがて嵐(試練)がやってくる。        (44~54)
  その中で鳥たちは嵐に耐えている。             (68~87)
  飛ばされそうになりながらも力強く。            (88~95)
  
  やがて嵐が過ぎ、休息がやってくる。            (96~115)
  海のテーマ。                       (116~141)
  穏やかな海で羽根を休め、少しの眠りにつく。        (142~150)
  
  また嵐がやってくるが、成長した鳥は怖気づくことなく
  海原へと天高く飛んでいく。                (151~203)


Promenade Ⅸ 「さくらばたけ」

 作曲 : 2005年
 初演 : 山口県立大学マンドリンクラブ
 演奏時間 10分  編成 M

  マンドリンクラブでの活動に熱中した学生時代。そんな様子を曲にしました。
 桜の開花とともに訪れる新しい仲間、みんな一緒に頑張った夏合宿、そして秋の演奏会。
 泣いたり笑ったり・・・たくさんの想い出が詰まっています。


Promenade Ⅹ 「風紋」

 作曲 : 2008年
 初演 : 鳥取大学マンドリンクラブ
 演奏時間 17分  編成 M

  砂丘の一面に広がる風紋、それは風の作った芸術作品。「砂のさざ波」とも言われ、圧倒的な
 スケールと美しさに心を奪われます。本曲は、その美しい鳥取砂丘をテーマにして作ったものです。
 
  冒頭、マンドラによってテーマが力強く奏でられ、風を呼び起こします。次に登場する、半音階
 で上下するモチーフは、自然の力を表現したもので、形を変えて随所に現れ、曲の全てを支配します。

  私にとって、砂丘は砂漠のイメージで、現実に鳥取砂丘にも(観光用ですが)ラクダがいます。
 皆様も「砂漠=ラクダ」の連想をされるのではないでしょうか? いつもの遊び心が出てしまい、
 曲中にラクダを登場させました。想像してお楽しみいただけたらと思います。

  ラクダたちや、人々の足跡で風紋は姿を消します。

  やがて、静まり返った頃に、また風が吹いてきます・・・。


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