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学術会議叢書 1 1999年12月発行,A5,189頁, \1,890(税込)

生殖医療と生命倫理
−不妊の悩み、科学者たちの提言−

 

〜目次〜

まえがき  日本学術会議「生殖医療問題」第1部・第2部・第7部合同検討会幹事 金岡祐一


第1部 「生殖医療と生命倫理」 −日本学術会議公開講演会載録−
科学は「開いた学術」として 重大な局面で、国民生活に役立つ存在に 日本学術会議会長 吉川弘之
  ・問題解決のために共同プロジェクトを組んで対処する時代
  ・生殖医療は「俯瞰型研究プロジェクト」の最初の試み

 
人工授精・体外受精は不妊の夫婦には大きな福音!
だが生命倫理をどうクリアするかが課題
−生命倫理と日本学術会議−
京都大学名誉教授 吉田 修
  ・現在日本でも、年間約7500人の体外受精児が誕生
  ・"生命倫理"についての討議は、いまだ結論は出ず…
  ・「自」と「他」だけでは割り切れない事例もいくつか
  ・「代理母」にはまだ多くの人が抵抗感を…
  ・そろそろ結論を出す期限を区切って検討すべき

 
未来のためにいま守りたい生命倫理
歴史を振り返って生殖医療の問題点をさぐる
−生殖医療の進歩と倫理−
徳島大学教授・附属病院長 青野敏博
  ・生殖医療200年の目覚しい歴史を振り返る
  ・たった1人が「会告」を破った波紋は大きい
  ・「法」と「会告」をミックスした理想のガイドラインを模索中
  ・体外で新しい命が誕生するプロセス
  ・ガイドラインを守ってこそ生命倫理を侵さない治療ができる

 
人工授精児・体外受精児に必要なものとは?
−出生児の幸せな生涯の保証のために望まれる法・社会・倫理的対応−
慶応義塾大学名誉教授 中谷瑾子
  ・ドナー(提供者)がだれかは絶対秘密であるべき
  ・体外受精は多胎妊娠の危険性を覚悟しよう
  ・減胎は倫理的に割り切れない部分が多い
  ・顕微受精の危険性にも注意しよう
  ・健全な子を産むために着床前診断が必要なことも
  ・非配偶者間の人工授精児はいまなお法的身分が不安定  他

 
人工授精児・体外受精児の立場を守るために活用したい法律
−人工生殖と家族と法−
東北大学法学部教授 水野紀子
  ・あなたは代理母容認派?批判派?
  ・人工授精児にも無視できない戸籍制度の重圧
  ・民法の「嫡出推定制度」が人工生殖子の身分を安定させる
  ・親子関係でほんとうにたいせつなのは血のつながりか?
  ・21世紀の人工生殖への提言

 
欧米の規制方法から日本は何を学ぶべきか
−欧米における生殖技術規制の論理と態勢−
三菱化学生命科学研究所社会生命科学研究室長 米本昌平
  ・日本の医師には強制参加の身分団体がない
  ・イギリス、ドイツ、フランスは三国三様のユニークな法律を制定
  ・アメリカは過激な中絶論議で大幅に出遅れる

 

パネルディスカッション 法律の遅れは人間を神にしてしまうのか
【パネリスト】(発言順)
吉田 修
京都大学名誉教授
水野紀子
東北大学法学部教授
米本昌平
三菱化学生命科学研究所社会生命科学研究室長
中谷瑾子
慶応義塾大学名誉教授 
青野敏博
徳島大学教授・附属病院長
【司会】
大木雅夫
日本学術会議第2部長
金岡祐一
日本学術会議第7部長
吉田民人
日本学術会議第1部副部長

・法律は何を守ってきたか。その検証から論議を
・親子関係だけは法律のほうがいいのでは
・どういう形のガイドラインにすべきか
・生命倫理、アメリカとヨーロッパではほとんど別世界
・特有な日本の文化の中で、生命倫理の問題をどうとらえていくか
 


第2部 「生殖医療とその社会的受容」 −『学術の動向』1999年4月号特集再録−
生殖医療とその社会的受容 日本学術会議第1部会員 吉田民人
日本学術会議第7部会員 黒川 清
不妊治療の倫理問題 京都大学大学院文学研究科教授 加藤尚武
  ・「実子」という感のする「自子宮」
  ・子の父を知る権利について
  ・ガイドラインの実効性の

 
生殖医療を文化的・社会的文脈に置きかえす 明治学院大学社会学部助教授 柘植あづみ
  ・生殖医療の視点と枠組み
  ・生殖へのさまざまな視点
  ・ジェンダー分析とその意義
  ・「患者のため」という陥穽
  ・生殖医療を評価・規制する際のジェンダー
  ・選択が尊重される社会に

 
医療プロフェッションの責務 −ドイツの事例から− 東京大学大学院総合文化研究科助教授 市野川容孝
  ・二つの政策課題
  ・政策決定過程と医療プロフェッションの役割
  ・子どもの幸福
  ・生命操作をめぐって
  ・医療プロフェッションの責務

 
人工的生殖補助技術利用の法的規制をめぐって 早稲田大学法学部教授 岩志和一郎
  ・出発点としての「子をもつ自由」
  ・検討を必要とする諸事項
  ・ふたたび「子をもつ自由」

 
生殖補助医療の現状と将来 京都大学名誉教授 森 崇英
  ・不妊に福音もたらすART
  ・IVF-ETの妊娠率は頭打ち
  ・顕微授精は男性不妊を解決したか
  ・望まれる胚凍結保存の普及
  ・極めて高度な着床前遺伝子診断
  ・非配偶者の関与する生殖医療

 
「多胎妊娠とその問題点」−生殖医療と生命倫理− 昭和大学医学部産科婦人科学教室教授 矢内原 巧
  ・多胎妊娠の増加
  ・周産期死亡と後障害
  ・多胎妊娠の原因
  ・排卵誘発法
  ・多胎妊娠と減数(胎)手術
  ・減数(胎)手術の倫理性  他

 
生殖の人為支配−動物生産から臨床応用へ− 近畿大学生物理工学部教授 入谷 明
  ・改良増殖を目的とした新技術開発
  ・-196℃の精子からも正常な子ウシが
  ・動物は100%借り腹移植
  ・伴性劣性遺伝性疾患の回避
  ・一卵性双子〜多数子の生産(クローニング)
  ・生命倫理面からの議論も  他

 
 

あとがき  日本学術会議「生殖医療問題」第1部・第2部・第7部合同検討会幹事 金岡祐一

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*演者および執筆者の所属等:第1部の演者は1999年9月30日現在、第2部の執筆者は1999年4月1日現在のものです。