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24. 数式(3)[根号・省略記号]

ここでは, [image: \sqrt{2}, \sqrt[3]{4}] のような根号や, [image: x_1, x_2, \ldots, x_n] のような記述に用いる省略記号(3 個並んだ点)について説明します.

24.1. 根号

根号は \sqrt コマンドによって出力できます. 実際,先程の [image: \sqrt{2}, \sqrt[3]{4}] は,それぞれ \sqrt{2} \sqrt[3]{4} という記述から得られたものです. なお,\sqrt コマンドの書式は次のとおりです. ([exponent] の部分は省略できます.)

  \sqrt[exponent]{formula}

ここで,formula は根号の中身にする式です. また,[exponent][image: \sqrt[3]{4}] の 3 のところです)が与えられたときには, 根号の左肩に exponent を出力します.

この \sqrt コマンドは, 次の例のように根号の中身の大きさに応じて根号の大きさを変化させます(*).

---INPUT---

\sqrt{2 + \sqrt{2 + \sqrt{2 + \sqrt{2 + \sqrt{2}}}}}

---OUTPUT---

various sizes of \sqrt

(*) なお,根号の中身が非常に大きくなると,根号の左側の部分 (に用いられる線分)が垂直になります.これを好まない人もいるようですが, 垂直な線分が用いられるほど根号の中身が大きくなる前に (...)^{1/2} の形式に書き換えるのが賢明です (“教育的配慮”を真に必要とする場合にはこの限りではありませんが).

一方,根号の大きさを,根号の中身の大きさにしたがって決めると, \sqrt{g} + \sqrt{h} という入力に対する出力は [image: \sqrt{g} + \sqrt{h}] のように根号の大きさが不揃いになります. この場合に根号の大きさが揃うように変更するには, \mathstrut というコマンドを用いて,

  \sqrt{\mathstrut g} + \sqrt{\mathstrut h}

のように入力します. そうすると, usage of \mathstrut という出力が得られます(*). なお,ここで用いた \mathstrut というのは, 文字“(”と同じ高さと深さ(**)をもち,幅が 0 であるような“見えない支柱”です.

(*) ただし,このように高さを揃えるか否かはほとんど趣味の問題です.

(**) TeX では,文字などの大きさについてベースライン(行の基準線) から上に出ている部分の高さを“高さ”(height)といい, ベースラインから下に出ている部分の高さを“深さ”(depth)といいます. 一方,“幅”(width)については普通の意味の幅です.

また,\sqrt にオプションをつけて [image: \sqrt[p]{p}] のような数式(これは \sqrt[p]{p} という入力から得られたものです)を 出力する場合,根号の左肩の文字の位置を調節して [image: \sqrt[\raise.5ex\hbox{$\scriptscriptstyle p$}\kern.25ex]{p}] のように出力したいことがあります.これは,

  \sqrt[\raise.5ex\hbox{$\scriptscriptstyle p$}\kern.25ex]{p}

のようにして出力しました. ここで用いた \kern \raise は文字 (正確にはボックス)の位置を移動させるコマンドで, \scriptscriptstyle は数式を“添字の中の添字” のスタイルにするというコマンドです(§29 参照). なお,amsmath パッケージを使用すると (プリアンブルに \usepackage{amsmath} という記述を入れると),

  \sqrt[\leftroot{1}\uproot{4}p]{p}

という記述から [image: \sqrt[\raise.5ex\hbox{$\scriptscriptstyle p$}\kern.25ex]{p}] と同様の出力が得られます.

24.2. 省略記号

次に, [image: a, b, \ldots, z][image: \ldots] のような省略記号について説明します. 省略記号として用意されているのは, \cdots \ldots(横に並んだ点を出力), \vdots(縦に並んだ点を出力), \ddots(斜めに並んだ点を出力)の 4 個のコマンドで, これらは次のような出力を与えます.

commands for three dots

ここで,\cdots は“数式の軸”と呼ばれる位置 (分数の横線の位置)上に並んだ点を出力するのに対し, \ldots はベースラインの位置に並んだ点を出力することに注意してください. また,\ddots \vdots は行列などの記述を行うときに用いられます.

なお,\cdots \ldots の使い分けは, 次のように決めるのが無難です.

数学的には, [image: (x+1)(x+2) \ldots (x+n)] の場合の“)”とその次の“(”との間には乗算の演算子が入っているので, この場合には \cdots を用いて [image: (x+1)(x+2) \cdots (x+n)] とするのも許容範囲です(*).

(*) 日本の印刷・出版業界には数式の記述に関する充分な見識 (および充分な数学的素養)をもった人間は少ないので,省略記号を何でも \cdots(というよりも,和文文字の“…”) で済ませてしまうという不見識がまかり通っていますが,本来, \ldots\cdots は厳格に使い分けるべきものです.

注意 24.1 (左下から右上に向かう方向に並んだ 3 個の点を出力するには)


以上のことをまとめると次のようになります.

  1. 根号は \sqrt コマンドで出力できます. 立方根などは \sqrt[3]{...} のように記述できます.
  2. 省略記号 (3 つの点) には \cdots \ldots (横に並んだ点), \ddots (斜めに並んだ点), \vdots (縦に並んだ点) があります.
  3. 「見えない支柱」が必要なときには \mathstrut を用います.

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