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[ 建築書房 ] 無気力建築学生による不親切建築書ガイド。手がかりは残した。後は自分で探しておくれ。 |
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本書は近代建築史を建築の流れとして述べている。過去の近代建築を知ることで現代の建築を知ることができる、と著者Cartisは考えているようだ。Cartisによる建築のキーワードは「近代性」「伝統性」「真正さ」である。「近代性」とは新しい技術を用いて建築を作り、これを肯定する考え方。新しい技術を用いることは必ずしも古くからある考え方ではないが、近代建築を説明する上で必要な考え方である。「伝統性」とは古代から受け継がれているものを尊ぶということである。ただし、時間が進めば伝統も順調に作られていくという楽観的な視点ではない。伝統を作る程の優れた建築に加え、それを生む天才的建築家の存在は限られており、それらを局所的に見ていくことの方が時に有効である、と考えている。つまり伝統(歴史)は時間の流れが作るのではなく、天才が作るものだという考えが垣間見える。そして天才が作る建築が「真正さ」を持つ建築である、と述べている。このことは、はしがきの中で「伝統は、理論的な内容を備えた建物の発見をさほど才覚のない後継者へと手渡すという、バトンタッチの連続によって、形成される」と表現されている。 Cartisは「近代性」と「伝統性」の二つがうまく調和したときに初めて「真正さ」を持つ建築と成りうると、強調している。 Cartisはこれまでの建築史に対する批判も記している。本書には「近代建築史家の先達は傾向として、その対象を孤立させがちであり、単純化しすぎであり、その独特さを強調しがちであったがそれはそうすることによって、その新しい創造物がどんなに先達と異なるかを示したかったのである。」とある。 これは当時の近代建築史家達が建築の本質を忘れ、建築を近代性の側面からだけ見ていると批判しているのである。実際に、近代建築だけを本当の建築と呼び、伝統や社会的な背景を全く無視した建築を尊ぶ建築史家が数多くいたのである。Cartisはこうした建築史家達に対して「建築とは、こみいった芸術であって『形態と機能』『象徴と社会目的』『技術と信条』を包括している。」と警鐘を鳴らしている。
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