伊勢文学

 浩三が東京で学生生活を送っているときに、同郷の中井利亮、野村一雄、土屋陽一とともに1942年に創刊した同人誌。
 徴兵検査を受け、十月入隊と決まってから、浩三は自分の生きたあかしを残そうとしたのだろう。
 浩三がガリ版で原紙を切りながら、原稿もなしに詩を書いていた。表紙は竹内浩三の実家の竹内呉服店で使っていた包装紙である。製本も浩三がやり、表題も一冊ずつ手書きである。同じ号でも表紙が違う。
 現存するものはわずかである。大部分は松島こう子さんから松阪市の本居宣長記念館に寄贈され、保管されている。
 これは中井利亮さん所蔵のものである。
 内容の一部は藤原書店「日本が見えない」に載せられている。
二号の「鈍走記」には「××(戦争)は×(悪)の豪華版である」「××(戦争)しなくとも、××(建設)はできる」と伏せ字で書かれている。