『愚の旗』竹内浩三作品集の学校寄贈にあたり
 「愚の旗」編者・アートディレクター
松島 新
「20世紀は戦争の時代」と呼ばれましたが、21世紀になってもいまだに戦争や紛争が世界各地で絶えず、多くの若者や子供たちが犠牲になっています。
このような社会状況にあって、改めて、伊勢が生んだ天性の詩人・竹内浩三が文学界や教育界、マスコミ等で熱い注目を集めています。
それは、生まれながらの“自由人”として戦時を生き、芸術を愛し、人を愛し、息をするように自然に詩を書いた竹内浩三の「言葉(言霊)」が、半世紀以上経た今日でも、生き生きとその魂を今に伝えているからに他なりません。
戦争を「悪の豪華版」と呼び、「人間の務めは生きることであるから、その務めを果たせ。」と生まれたばかりの赤子に兵舎から手紙を送った竹内浩三……。
その鋭く時代を見通し、悩みもがき、生きることの尊厳を伝える作品は、半世紀前に放たれた“感性の矢”として、私たちの心に強く深く突き刺さります。
このような竹内浩三とその作品を、出生県である三重県の高校・中学校の生徒諸君と先生方に広くご紹介したく、また末永く読まれることを期待して、図書館に「愚の旗/竹内浩三作品集」を150冊寄贈いたします。
生まれた時代を精一杯生き、自分の発見にこの本が役立つことを願って…。
※寄贈者は三重県松阪市出身(鎌田中学校・津高校・早稲田大学・桑沢デザイン研究所が母校)
                       2003年12月吉日