射撃について

松の木山に銃声がいくつもとどろいた
山の上に赤い旗がうごかない雲を待っている
銃声が止むと ごとんごとんと六段返しみたいに的が回転する
おれの弾は調子づいたとみえて うつたびに景気のいい旗が上った
おれの眼玉は白雲ばかり見ていた


「日本が見えない」藤原書店発行 小林察編より