「イショク」という言葉は聞いたことはあるけれど、どういう人に必要なのか、どういう手続きが必要なのか・・・

そいういう疑問をもっている方のために、ご説明します。
腎臓移植ってどいういう人に必要なのですか?
 腎臓の機能が良くない状態を「腎不全」と言います。腎臓は背中側にある臓器で、2つあります。体の中の毒物を尿として外に出し、血液の成分を一定に保つ役割があります。したがって、腎不全の方はそれができずに、治療をしなければ体の毒物がどんどんたまって、血液のバランスが悪くなってしまいます。
 腎不全の治療には「人工透析」といって、管によって体の外に血液を出し、機械に通して血液をきれいにする治療などがあります。このような治療は週に3,4回、一回につき4から5時間かかり、患者さまは時間をとられてしまったりして、仕事がしたい、旅行にいきたい、と思っても行動が限られてしまいます。また、このような患者さまは食事や水分の制限があります。
腎臓移植のいろいろ
 腎臓移植には様々なパターンがあります
<生体腎移植> 
 健康な身内の方から2つある腎臓のうち、1つを提供していただき、移植をします。
<献腎移植>
 亡くなった方から提供していただき、移植をします。
<膵腎同時移植> 
 糖尿病により、腎不全になった方に、膵臓という臓器と腎臓を同時に移植をします。
腎臓移植を受けるには、どうしたらいいの?
 生体腎移植については、透析の主治医の先生などと相談し、生体腎移植を実施している施設の先生方と相談しながら行われることになります。
 しかし、献腎移植、膵腎同時移植は「(社)日本臓器移植ネットワーク」というところに「希望登録」をしておくことが必要になります。 
 また、献腎移植、膵腎同時移植の希望登録はそれぞれで手続きなどが多少、違ってきますので、今回は献腎移植に焦点をあてて、手続き、移植を受けるときのこと、移植成績などを、『献腎移植をお受けになる方に』から抜粋してご紹介したいと思います。 
 この『献腎移植をお受けになる方に』は岡山県腎移植推進員研修会により編集され、鳥取県臓器バンクが鳥取県版に直したものです。
『献腎移植をお受けになる方に』
1.はじめに 
 日頃から、いろんな思いを胸に”透析生活”をお過ごしのことかと思います。家族のこと、仕事のこと、透析のこと、そして移植のこと。
 このパンフレットは、”腎臓移植”を決断された方、また、決断していないがどんなものだろうか、と関心をもっておられる方のために、お役にたてれば、との思いで作成されました。
 ”腎臓移植”という治療は「時間に縛られない」「何でも食べることができる」という利点もありますが、「薬を飲み続けなければいけない」「拒絶反応や感染の危険がある」という欠点も一方にはあります。腎臓移植をお受けになる場合、良い面と悪い面を十分に理解していただいて移植後の障壁を乗り越え、希望の道を切り開いて行けることを願っています。
2.腎移植について
1)移植希望者の検査・診断 
 献(死体)腎移植を希望される方には二段階の検査が行われます。まず、移植希望登録時に登録資料をもとに全身状態の評価を組織適合検査を行います。一日でも長く移植された腎臓が機能を保持してくれるために、移植を受けられる方と腎臓を提供される方の相性を合わせます。それを検査するために、移植希望登録の時点で、組織適合性試験が実施され、結果がネットワークに登録されます。
    組織適合性試験
    登録方法
    選定方法         は後に出てきます。
 第二段階の検査は、いざ候補者に選定された時点で行われます。腎移植の手術のための特別な検査ではなく、普通の手術を受けるのに必要な検査のみです。体調に問題のある場合は追加の検査が必要な場合もあります。移植に特殊な検査としては交叉試験が行われます。ただ、検査のための血液はすでに登録時に保管していますので、あなたに直接お願いするこをはありませんが、保管後、輸血などを受けられた場合、採血をお願いすることもあります。
    交叉試験は後にでてきます。
1.はじめに

2.腎臓移植について
 1)移植希望者の検査・診断
 2)腎提供者の検査・診断
 3)移植術
 4)移植者の術後管理の概要
 5)移植成績
 6)入院の際に必要な準備品について
 7)入院後の生活について

3.臓器移植ネットワークについて
 1)登録方法
 2)腎提供より移植手術までも経緯
 3)選定方法

4.移植にかかる費用を福祉制度
腎移植に特殊な検査について
*組織適合性試験(ABO及びHLA検査)
 血液型にはみなさんになじみの深い赤血球型(ABO型)ともう一つ白血球型(HLA型)があります。赤血球型については、生体腎移植の場合には原則的に輸血の法則に従えば移植可能です。例えば、O型からA型、A型からAB型という具合です。しかし、献腎移植の場合には同じ血液型同士の間で行う取り決めがあります(選定方法)。 
 次に、白血球型については赤血球型に比べて複雑で、個人の血液型を決定する抗原は6個あります。6個の抗原の3個ずつの2組にわけられ、各々を父親と母親より譲り受けています。従って、親子間では必ず2分の1は一致しています。この白血球は提供者と受ける人の間で似通っていればいるほど、移植後の問題が少なくてすみます。その成績についてはこちら。
*交叉試験
 この試験は移植者の血清と提供者のリンパ球を混ぜ合わせて検査します。もし、移植者の血清の中に提供者に対する抗体があると提供者のリンパ球を破壊してしまいます。このような検査結果になった場合、移植された腎臓はあなたの中で24時間以内に機能しなくなります。このようなことが起こらないように候補者として決定される前に最終の検査が行われます。
2)腎提供者の検査・診断 
 腎臓は第三者の厚意により提供されたものです。”日本臓器移植ネットワーク”のあっせんにより腎臓は医療施設から搬送されます。私たち医療スタッフは心から感謝して腎臓を受け取っています。
 提供いただく場合には十分に検査し、その情報をあなたにも説明いたします。そして、不利益が予想されるような腎臓の場合には移植は中止します。
3)移植術 
 腎臓移植の手術は他の一般の手術と同様に全身麻酔により行われます。この全身麻酔は専門の麻酔医が担当して行いますが、手術の間は眠った状態で痛みもありません。心臓・肺・肝臓などの働きに問題がなければ安心して受けることができます。

 手術までの経過ですが、ほとんどの場合緊急手術になります。この理由には、提供された腎臓に血液が流れていない時間(阻血時間)をできるだけ短くすることが腎移植を成功させるための大切な一要因だからせです。提供される腎臓も緊急に搬送されて参ります。腎臓が到着すると手術は時刻に関係なく緊急に行われます。
 腎移植の方法は生体腎移植の場合と同じです。提供腎の動脈、静脈、尿管を移植者の腰骨の内側、つまり腸骨窩(提供者の左腎は右腸骨窩、右腎は左腸骨窩に)の中で移植者の動脈、静脈、膀胱につなぎ合わせる手術です。手術にかかる時間は約4時間です。
 ”元の腎臓を一緒に摘出するのですか?”との質問を受けることがありますが、あなた自身の腎臓には原則的に何も処置は行いません。
4)移植者の術後管理の概要 
 腎移植においては主治医の先生は”さあ、手術は無事に終わりましたよ。これから一緒にがんばって大事な腎臓を大切にして行きましょう”と話されると思います。腎移植についてしっかり知識を得て自己管理ができるようにしましょう。
*移植後の経過
 移植者の方は手術が終わりますと全身麻酔からある程度まで覚醒するまで手術室で管理されます(約1時間ほどです)。その後、ICU又は病棟に帰って参ります。術後2〜3日は体を動かすことに少し制限が加えられますが、緊張することは全くありません。リラックスしてベッドで休んでください。多くは、翌日から食事も食べていただけます。そして、2〜3日後にベッドより歩いて歩行も可能になります。行動範囲は制限されます。これは移植後服用していただく免疫抑制剤の効果が強い間は感染の危険が高いため、周囲より感染の危険を最小限にするためです。
 献腎移植の場合には手術後に急性尿細管壊死を併発することが多く、手術後にすぐに尿が出ないことがあります。そのため約2週間程度の透析が必要になりますが、がっかりしないでください。
 退院は施設により異なりますがおよそ4〜6週間程度で許可されると思います。その後は定期的な外来通院となります。
*手術後の問題点 
 腎移植を受けられた後、多くの場合には特別の問題なく経過してゆいきます。しかし、時には以下に述べるような問題が起こることがあります。移植者自身が戸惑うことなく適切な治療を受けていただくために、起こりうる問題点を十分理解していただくことが大切と考えます。
・急性尿細管壊死 
 献腎移植の場合には、提供される腎臓の状態や摘出されてから移植されるまでの時間が長くかかりますので、ほとんどの場合すぐに尿はでてきません。医学的には”急性尿細管壊死”と診断しますが、透析で治療を行っていれば約2〜4週間で回復します。
・拒絶反応 
 移植された腎臓と移植を受けた方の相性は一卵性双生児でないかぎり全て一致することはほとんどありません。そのために移植をうけた方の体は腎臓を自分のものではないと考え攻撃を開始します(免疫反応)。これを放置すると移植された腎臓はその働きを無くしてしまいます。このような反応を拒絶反応といいます。
 拒絶反応には移植してすぐに起こるものやしばらくして、そして数年してから起こるものなど種々のタイプがあります。このような拒絶反応を防ぐために免疫抑制剤の服用が必要となります。
・合併症
 手術に原因する問題:
  手術は全身麻酔のもとで行われ、腎臓の動脈と静脈そして尿管をつなぐ手術です。一般的な 全身麻酔において考えられる合併症以外には、血管つないだ所の狭窄(狭くなる)や出血、尿管と膀胱をつないだ所からの尿の漏れなどです。
 免疫抑制剤に原因する合併症:
  免疫抑制剤は腎移植においては必ず服用しなければならない薬です。手術直後は比較的大量に服用しますが徐々に少なくなります。免疫抑制剤の副作用はムーンフェイス(顔がふっくらする)や多毛など短期間の間のみ出現するものがあります。長期的には視力障害(視力低下、白内障など)、整形外科的合併症(大腿骨頭壊死など)、糖尿病、肝機能障害などが合併症として起こる場合があります。
 また、身体の免疫能(抵抗力)が抑制されているために注意しなければならないことに感染症が挙げられます。手術後時間がたてば極度に心配されることはありませんが(日常の生活には心配ありません)、手術の直後は感染すると重篤になる危険がありますので感染しないように防御することが必要です。
 移植腎の問題:
 移植をされた腎臓は激しい拒絶反応や頻回の拒絶反応に見舞われなければ、ほとんどの場合には順調に経過しますが、時に移植された腎臓に腎炎等が起こる場合があります。これは移植者の元の腎疾患が関係したり、服用している薬剤が影響する場合があります。
 服薬(免疫抑制剤)
 腎移植を受けられた場合、拒絶反応を抑えるためには免疫抑制剤を使用します。この抑制剤は移植した腎臓が働いている間は毎日服用していただくことになります。もちろん経過が長くなるに従ってその量は少なくなります。しかし、患者さま自身が勝手に服薬を中止したり、減量したりすると拒絶反応は必ず起こります。もちろん、抑制剤による副作用が心配になられると思いますが、必要最小限をめざして処方されます。
 投与される免疫抑制剤については、近年多くの種類の薬剤を使用することが可能となっています。それらの中で、3種類のものが原則的に処方されますが、腎移植をうけられる時点で患者さまの状態を考慮した上で決定されます。

         薬の名前              作用          考えられる副作用
継続して服用する必要のある薬剤
1群 メチルプレドニゾロン(メドロール) 抗炎症作用など 感染症、骨粗しょう症、骨頭壊死、糖尿病など
プレドニゾロン(プレドニン) 感染症、糖尿病、消化性潰瘍、緑内障、白内障など
2群 シクロススポリン(サンディミュン) 免疫を担当するT細胞の働きを阻害 腎障害、肝機能障害、多毛、振戦、糖尿など
タクロリムス(プログラフ) 腎障害、振戦、不眠、感染症、かゆみ、糖尿など
3群 アザチオプリン(イムラン) 細胞が増えるのを阻害 白血球減少、貧血、胃障害、嘔吐、出血、肝障害など
ミゾリビン(ブレディニン) 白血球減少、肝障害、消化管出血、舌炎、肺炎など
拒絶反応時に使用される薬剤                                    
メチルプレドニゾロンパルス療法
15−デオキシスパーガリン(スパニジン) 外からのものを攻撃する抗体を作るのを阻害 顔などのしびれ、ほてり、熱、頭痛、食欲不振、嘔吐、悪心、胸やけなど
OKT−3(オルソクローン) 免疫を担当するT細胞の働きを阻害 発熱、悪感、下痢、嘔吐、悪心、振戦など

 例 (退院時)サンディミュン 4カプセル(1日2回)
          メドロール 3錠(1日2回)
          イムラン 1錠(1日1回)
           その他の潰瘍防止剤、降圧剤、利尿剤など
5)移植成績
 腎移植希望の登録をされるに際して最も気がかりなことは移植された腎臓がどれだけ長く機能を保ってくれるかということだと思います。腎移植は約30年前より開始されていますが、年を経るに従って移植技術の向上や有効な薬剤の開発により成績は良くなっています。
 また、HLA抗原の適合度(移植された腎臓と移植を受けるかたの相性)は移植の成績に大きく影響を与える因子です。HLA抗原の違いが少ないほど、長期的に見て良い成績を残しています。
6)入院の際に必要な準備品について
 献腎移植をお受けになられる場合には、ほとんどのケースで緊急入院・緊急手術になります。そこで、ふだんより入院に際して必要なものを準備しておいてください。

入院手続きに必要なもの:保険証など一式(保険証・受給証など)・印鑑

準備品:入院に必要なものは個々の病院で異なりますので、あなたが希望された移植施設の担当者に相談していただければ十分な情報を得ていただけると思います。以下には一般的に必要と考えられる準備品を説明しておきます。
 ・寝衣(前あきのもの)3〜4枚、腹帯3〜4枚、T字帯3〜4枚
 ・バスタオル2〜3枚、タオル6〜8枚
  #一度洗って糊を落としたほうがよいでしょう。また、すべてのものに名前を書いておきましょう。
 ・その他の入院生活に必要なもの:
  洗面用具、箸、スプーン、湯のみ茶碗、コップ、スリッパなど 
  #最初の時期は病室より出入りを制限される場合がありますので書籍など(あなたの趣味などに合わせて)のもの、日常生活で愛用品を持ってこられても結構です。

なお、必要な物品は移植を希望される施設により多少異なりますので、移植希望施設に受診して、登録を行う際に、詳しくお聞きください。
7)移植後の生活について
 退院されれば、これまでの生活と違い、時間に制約のない生活が送れます。しかし、前にも述べたように医療スタッフも援助しますが、あなたが中心になり、腎臓を長く機能させるために(拒絶反応や合併症が起こらないように)自分の体調を自分で管理していくことが大切です。
 そのためには以下のことに注意していきます。

・きちんと薬をのむこと。
 薬は担当医が血液中の様々なデータを見て調節して処方します。飲み忘れたり、勝手に飲むことを止めたりすると、すぐにあなたの体が腎臓を攻撃し拒絶反応を起こしてしまうこともあります。決められた量を決められた時間に飲んでいきます。
・毎日体調を確かめる
 拒絶反応が起こると、尿量が減る、体重が増える、熱が出る、血圧が上がる、体がむくむ、移植した腎臓が堅くなる等の症状が起こります。感染しても、熱が出たり風邪を引いたような症状がでます。退院してしばらくは、尿量・体重・血圧・体温を測りノートに記録して体調の変化に気をつけるようにすることが大切です。また、おかしいと思ったら遠慮せず移植病院に連絡するようにします。
・食事は塩分・カリウム制限なく好きなものが食べられます。
 ただ、薬の関係で体にコレステロールがたまりやすくなり、太りやすくなっているので、肉類やアルコールばかりでなく野菜を多く取り、バランスのとれた食事を心がけるようにしていきます。薬の関係で制限されることもあります。
・日常生活で体を動かすこと(例えば家事をする、散歩をするなど)は大いにしていきます。
 寝ているばかりではどんどん太ったりしてよくありません。スポーツや仕事は移植後3〜6ヶ月して医師と相談の上、できるようになります。また、旅行にも行けます。
・結婚や性生活にも問題ありません。
 女性の方の妊娠・出産は免疫抑制剤が減量され腎機能が安定した時期から可能になります。その場合には担当医と産科の医師とが相談していきます。
3.日本臓器移植ネットワークについて
1)登録方法

 次のような手順で行います。
1.主治医と相談しながら、新規登録用紙の必要項目を記入します。
 登録用紙は、透析施設および移植施設にあります。
 専門的な項目は主治医に(必要な検査を含めて)記載していただいてください。
2.あなたが希望する移植施設を受診します。
 献腎移植は日本臓器移植ネットワークで認可された登録移植施設(鳥取県では米子医療センター1施設)でのみ可能です。従って、県内外の登録施設より希望の移植施設を選択して受診してください。リストは日本臓器移植ネットワークのホームページなどにあります。
 受診日については、事前に電話等でご確認ください。その際、新規腎移植希望登録用紙・保険証等をお持ちください。
3.組織適合性抗原(HLA型)の検査
 HLA検査センター(米子医療センター)で血液型(ABO・HLA型)等の検査を行います。
 検査方法は、希望移植施設に受診した後にHLA検査センターに血液が搬送されて検査が実施されます。
4.登録情報・検査結果の報告
 移植施設を受診した後、所定の振込み用紙で新規登録料3万円を振り込んでください。この料金は、データの管理と、あなたからいただいた血液を保存するためのものです。
2)腎提供より移植手術までの経過

1.腎提供候補者の発生
 腎提供候補者が救急病院などの提供施設に発生すると、日本臓器移植ネットワークに連絡されます。
2.腎提供候補者の医学的・社会的評価
 提供される腎臓が移植希望の方に適しているか否か、また、提供していただいて問題はないかについて評価されます。
3.臓器提供の承諾
 最終的に提供候補者の家族の方の承諾をいただきます。その後に提供に係わる実際の業務が開始されます。
4.提供候補者の血液検査(HLA検査・感染症など)
 移植希望の選定に不可欠な組織適合性検査(HLA検査)や感染症等の検査がHAL検査センターで行われます。
5.移植候補者の選定
 ネットワークにて検査結果に基づいた移植候補者の選定が後述されている方法で行われます。
6.移植候補者の意思確認
 選定された移植候補者の医学的評価・意思確認が行われます。電話で連絡いたします。
7.交叉試験の実施・移植候補者最終決定
 移植術に対する最終検査として交叉試験が行われます。この検査が陽性の場合には移植を行っても腎臓は急激に拒絶反応を起こすので、陽性の場合には適応外となります。検査に問題が無ければ移植施設に入院となります。移植施設の医療スタッフはあなたと同じように前もって連絡を受けていますので、安心して入院してください。
8.腎摘出
 提供施設にて腎臓が摘出され、移植施設に搬送されます。
9.移植術
 腎臓が到着次第、緊急手術が行われます。
3)選定方法

 平成14年1月より、以下の基準で移植患者さまが選定されることになりました。今までとおおきく違う点は以下の2点です。
  ・提供者(ドナー)発生県内の移植施設で登録している人が優先的に移植をうけられるようになった。
  ・小児の患者様が優先的に移植を受けられるようになった。


 移植希望者は以下の事項が、各ポイント化され、合計点の高い方優先的に移植が受けられます。
1.前提条件
 (1)ABO式血液型の一致
 (2)リンパ球直接交叉試験(全リンパ球またはTリンパ球)陰性

2.優先順位
 (1)搬送時間(阻血時間=臓器に血液が流れてない時間)
地域 点数
ドナー発生県同一県内 12点
ドナー発生県同一ブロック内 6点
  例)鳥取県で腎提供者が現れた場合に、鳥取県内の移植施設(米子医療センター)で献腎移植を希望している方に12点、その他の中国四国地方の県で希望している方に6点が加算されます。
 (2)HLAの適合度
DR座の適合度
(ミスマッチ数)
A座及びB座の適合度
(ミスマッチ数)
点数
14点
13点
12点
11点
10点
9点
8点
7点
6点
5点
4点
3点
2点
1点
0点
HLA型とは:HLA型とは白血球の型です。移植で重視されるHLA型にはA、B、DRがあり、この中でもさらに多くの種類に分かれます。人はHLA−A、B、DRについて2種類ずつの型を持っています。したがって、6種類のHLAの型を合わせることになるわけです。中でもHLA−DRの適合度がさらに重視されます。
 HLA型があっていない場合をミスマッチと言います。
 このホームページのHLAの説明も参考にしてください。
(3)待機日数
 以下の式でポイントを計算します。
  待機日数(N)が4014日以下の場合=N/365点
  待機日数(N)が4014日より多い場合=10+log10(N/365・9)
(4)小児待機日数
 16歳未満の小児の待機患者さまに14点が追加されます。

<ポイント計算の例>
提供者(ドナー) 移植希望者 点数
・A型
・鳥取県で提供
・HLA型
 (A1、A2)
 (B5、B7)
 (DR8、DR9)
・30歳 A型
・鳥取県内の施設で献腎移植希望登録   →12点
・HLA型
 (A1、A2)
 (B5、B7)
 (DR8、DR9)
  ミスマッチ数0 →14点
・待機日数 1,825日
  1,825/365 →5点
31点
・15歳 A型   →14点
・鳥取県内の施設で献腎移植希望登録   →12点
・HLA型
 (A1、A2)
 (B5、B7)
 (DR8、DR9)
  ミスマッチ数0 →14点
・待機日数 1,825日
  1,825/365 →5点
45点
・30歳 A型
・岡山県内の施設で献腎移植希望登録     →6点
・HLA型
 (A1、A2)
 (B5、B7)
 (DR8、DR9)
  ミスマッチ数0 →14点
・待機日数 1,825日
  1,825/365 →5点
25点
 
 以上のような選定がコンピューターにより行われます。
4.移植にかかる費用と福祉制度 
 各種医療制度等は、それぞれ、細かな決まりを定めて運用されています。移植される方全員に、ここにあげる全てのものが適応にならない場合があります(一人一人使える制度が異なります)。ここでは、ごく基本的なことのみをあげさせていただきます。個々に応じた各種制度の組み合わせにより、費用の負担金が軽減されていきますので、それぞれの窓口でご相談ください。

1)移植の費用について
 腎移植は特別な医療ではありません。ふだん病院へかかるのと同様、お持ちの保険証の種類によって費用の負担金が計算されます。また、手続きをすれば公費(国や県など)で全額または一部を負担してもらえる場合もあります。

・特別医療費助成制度
 手続き窓口:市町村役場
  身体障害者手帳1級、2級をお持ちの方が移植を受けられる場合、県市町村が費用を助成し、負担金の金額が公費となります。
・更生医療 
 手続き窓口:市町村役場
 身体障害者手帳をお持ちの型が、更生医療指定期間で移植を受けられる場合、公費負担があります(所得によって負担金額はことなります)。
・特定疾病
 移植を受けられても、同じ月に透析に行っていれば、その月の負担は1万円となります。

2)身体障害者手帳について
 移植を受けたから(透析をしなくてもよくなったから)と言って、身体障害者手帳を返す必要はありません。移植を受けられても免疫抑制剤を必要とする期間は、身体障害者手帳は引き続き今まで通り利用できます。

3)移植後の障害年金について
 障害者年金を受給されている方が、移植され障害の程度が軽くなった場合、傷害年金の等級が下がって減額になったり、停止になる場合があります。経過して障害が重くならなければ年金を受ける権利がなくなります。しかし再度障害が重くなれば、再申請できます。

4)相談の窓口
 医療費・福祉制度など、医療福祉の相談は、各医療機関の医療ソーシャルワーカーにご相談ください。ソーシャルワーカーがいない場合は、医療費については病院の医療事務係へ、社会福祉(身体障害者手帳など)や年金については市町村へご相談ください。

 米子医療センター ホームページ http://www.hosp.go.jp/~yonago/
           担当部署 医事係、HLA検査センター
                  〒683−8518 米子市車尾4丁目17−1
                  TEL0859−33−7111 FAX0859−34−1580
          
 平成14年4月より、移植を受けられた場合、患者さまお一人につき、10万円のコーディネーター経費をご負担いただくことになります。登録されるときには、そのことも併せてお考えください。

 皆様のご意見をいただきながら、このページもわかりやすくしていければ、と思います。
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