江戸川あれこれ



矢切の渡し付近から見た江戸川はちょっと霞んでいる/02・12・15



 自然通信は一応視野を全国に広げつつも、、江戸川の自然環境を考える会と共に江戸川流域を活動の主なフィールドにしています。そこで、地元・江戸川について緊急問題を含め、あれこれご紹介していきたいと思います。

「江戸川この十年」はこちらから




江戸川マメ辞典




◆江戸川は茨城県五霞町〜千葉県関宿町で利根川から分派し、東京湾まで約60kmを流れる川です。

◆江戸川は現在、首都圏600万人の水道水源として大切な川です。

◆江戸川には現在も豊かな自然が残されていますが、一方でさまざまな河川改修工事などの計画により、大きく様変わりする可能性が心配されています。





江戸川情報

 右岸下流域の緩斜面堤防工事が盛ん/04年3月6日

 堤内にせり出すように厚いコンクリートパネルが貼られ、その上に盛り土する工法が進む。。確かに洪水に強いが、スーパー堤防を堤外に築けると、工事の二重化と考えられなくもない。外側を固めたら、内側は緩斜面にしない。スーパー堤防ができない箇所にのみ補強のため緩斜面工事をするようにして、重複するムダを省き、とりあえず右岸側の堤防補強をするに留めるべき。考えてみれば、利根川新治水計画の見直しも済んでないのだから。

 3月4日、江戸川河川事務所主催で、市民団体と第2回意見交換会が松戸出張所で行われた。しかし、呼び掛けた市民団体も少ないし、参加は8団体と寂しかった。パワーポイントの本年度事業説明が不明瞭。これで参加者は理解できるのだろうか。形式的に説明したら良いというわけでもあるまいし、工事個所ごとの施工法や工事の問題点、市民に理解して欲しいポイントを絞った説明を、できれば多くの市民にオープンにして話したほうが良いと思う。
 本年度事業が来年度以降になったとは言え、矢切ー柴又地先の川床浚渫問題は江戸川にとって大きな問題なのに、当日まったく報告がされなかったのは、行政対応としてはまずいのではないか?早くオープンにすべきだし、正しい説明があれば理解を得られる案件もあるはずである。

 この集まりは河川事務所の呼び掛けであり、本年度の事業説明が主だったが、川づくりは10年後、20年後の河川像に大きく係わることから、将来的にどういう姿の江戸川にするのかをまず議論することも必要と思うのだが・・・。




行徳可動堰架け替え問題の行方

 江戸川にかかわる問題は多々あり、そのひとつとして行徳可動堰の架け替え、つまり現在より上流部に新建設する問題があります。1957年建設された可動堰が老朽化したため架け替えることになったものの、その場所、規模など検討課題が山積。現可動堰の上流には貴重種のヒヌマイトトンボの生息地があり、ここが建設予定地にあたるため、まずヨシ原を含めその引っ越し作戦が開始されたが、相手が自然だけに人間の都合だけでは容易に事は運ばない。1万5千匹のトンボの幼虫を上流に移植したヨシ原に放し、羽化した13匹の成虫から産卵によって22匹の幼虫が確認されたというそのそのことだけでも、貴重種を安易に移植できるとの考えは却下されるべきだろう。
 しかし、可動堰新建設問題における最大の問題は、その規模である。現在3基の可動堰を6基、240mにまで拡大する計画の背景には、200年に一度の大洪水に対応し、利根川、江戸川の治水上、洪水時毎秒最大流量7000トンに耐えられる可動堰としてはそれだけの規模と構造が必要との予測による。しかし、昭和55年に決められたこの基本高水流量の算定の根拠があいまいで、単に安全を目指す過大な流量とも指摘されて、利根川流域全体の「河川整備計画」見直しが行われることとなった。可動堰建設の見通しは当分先延ばしとなり(今後20年は完成を見ない)、「とし」は「俺の生きている間に可動堰の完成はない」と言う。さらにこのような情況の変化を受けて、原生息地にトンボの幼虫を戻すことがベストだと「とし」は「行徳可動堰懇談会」で提案している。

☆4月1日より「江戸川工事事務所」の名称は「江戸川河川事務所」に変更されるそうです。もう工事はないということでしょうか?事務所の中に河川があるような新しい名称、その名の通りだといいのですが。全国の河川を管理する(?)各事務所がこぞって名称変更するのでしょうか?




江戸川が大変だ!

 いま、江戸川はひそかに河道と護岸の工事が進行しようとしています。自然豊かな江戸川と誇っていたけれど、気づかぬうちに江戸川はただの水路へと作り変えられる危機的状況に直面しています。緩斜面工事は川の流れを否応になしに直線化することになります。世界の潮流は直線化した川を本来の蛇行した姿に戻す方向に向かっていると言うのに、まさに時代に逆行するものと言わざるを得ません。河道の直線化は全川におよぶ危険性大。さらに、里見軍と北条軍の戦いを今に伝える歴史的な「かれめきの瀬」を掘る計画もあるとのこと。江戸川の将来を左右する緊急事態と言えます。





江戸川・緩斜面堤防化と護岸工事



これが水際をコンクリートで固め、緩斜面をコンクリートブロックと盛り土で覆う前近代的工法


江戸川ではあちこちで緩斜面化の工事が行われている。低水方向へ堤防が延ばされ、のり面から30m幅で高水敷が確保される。ということは場所によって江戸川が埋められ、堤内直線化が進められることでもある。こともあろうに埋められ造成された水際が鋼板とコンクリートの垂直護岸という前近代的な設計施工であるから、またびっくりである。治水と環境を柱とする河川行政はどこかに忘れられている。江戸川は水道水源の川であり、中流域にあって樹木も水辺に生い茂り、美しい風景も見せており、他地域の川に思いを込める人たちも江戸川の素晴らしさを評価しつつあった。 しかるに、江戸川右岸三郷有料道路付近で始まった耐震工事と思われた工事は、またたく間に川を埋め、高水敷を広げたと見る間に垂直護岸が完成した。工事前に確かな生物調査を行ったのかも疑問である。樹木の繁る江戸川でも、屈指のワンドがあり、カニ類はじめ多くの生物が観察された場所で、ベンケイガニ類については江戸川最上流確認生息地であった。計画にあたり、やむを得ず行う場合、最低でもミティゲーションの手法をもって、生物の棲めるワンドの再生を行うべきである。江戸川工事における近年の最大の汚点となったことは事実である。

2002年秋、右岸東金町地先において、これと同じ工事が進められていた。同所在住のA氏が江戸川の干潟を保全したいと河口出張所と数度となく交渉し、オギ原の再生、水際の工夫などの配慮は見たが、可動堰上のヒヌマイトトンボとその再生、矢切築堤と湿地の再生、付近一帯のビオトープ化など環境に配慮する江戸川工事事務所のイメージがあるだけに、こうした安易な計画の強行は残念でならない。 

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