レポート
春の谷津田観察会
4月24日(日)の定例観察会は北総鉄道の終着駅「印旛日本医大駅」から歩き始める。お天気は申し分ない晴。暑くもなく、寒くもなく、新緑が青空に映えて美しい。参加者は43名。谷津田とその周辺の雑木林の縁をたどっていく。
いたるところに春の花が可憐に咲いている。ホタルカズラの深い青は珍しさもあって、大人気。フデリンドウは本当に小さな花。ヒトリシズカはその名の通り、まさにひっそりと咲いている。ジロボウエンゴサクにスミレもいろいろ。カントウタンポポもお日さまをあびて生き生きと輝く。野草には園芸種と違って、派手さはないが、可憐で繊細でほんの一時咲くところも魅力的です。
白い房状の花をつけるウワミズザクラもそこここに見られる。これがサクラ?と意外性のあるこの木、でも節のある木肌は確かにサクラの仲間であることを示している。
田んぼには水が張られ、そろそろ田植えも始まり出す頃。その上空をサシバが何羽も旋回し、このあたりの自然度の高さを証明している。なんとものどかな里山の春を満喫した1日でした。
おまけの1枚
お昼の休憩をした東祥禅寺の庭にあった木の枝、その一部穴が空いて手が通ることを実演する「とし」なのだ。
利根運河の春の植物観察
ヤマザクラにオオシマザクラが満開の利根運河には、春の植物が咲き乱れて、植物好きにはにもう時間がいくらあっても足りないほど・・・。
というわけで、あらためて、利根運河のもつ自然度の高さに感嘆した。ツボスミレ、タチツボスミレ、ジロボウエンゴサク、カキドオシ、フデリンドウ、カントウタンポポなどなど、大きな群落であるのは、さすが利根運河!!ぜひ、このままの姿で長く保全してもらいたい。
さらに、周辺の林には、ヤマザクラ、オオシマザクラが満開、雑木も芽吹きが美しく、まさに「一服の絵」として観賞したいほど。ここはまさに、子孫に手渡すべき貴重な自然だと痛感したのでした。
4月野遊び道場/利根運河で野草摘み
9年目となる葛飾区郷土と天文の博物館主催「江戸川野遊び道場」は、恒例の「利根運河で野草摘みと生き物観察」からスタート。4月に入ったばかりの4月2日(土)、天気はあいにく寒い。この冬は思いのほか寒かったからか、サクラもまったく咲いていない。利根運河の土手もちょっとまだ冬景色なのだ。
それでも、ヤブカンゾウの新芽が出ているし、ツクシも、ノビルも思い思いに採集。ヨモギはまだ本当に赤ちゃん状態のやわらかな葉を摘むことができた。
利根運河の土手を歩いて、国道16号を越えた先の大青田の湿地で、生きもの観察。メダカはもちろん、なんとアカガエルとヒキガエルの卵塊比べ、そしてアカガエルの親も登場したとか。なかなか見どころ満載の観察会となったようだ。
この間に、毎年恒例の野草の味噌汁づくりを行なう。前日に「とし」がどっさりとってきた、ノビルとセリに油揚げも入れた特製味噌汁、なんと味噌は博物館の手作りと言うだけあって、毎年好評です。たくさん歩いて、おなかがすいている、外でみなでわいわい食べる、ということもおいしさをアップさせる要因でしょう。
花がようやく咲き始めるコブシの下でカラスガイの説明
ゆっくりと昼食を楽しんだあとで、まとめの会。摘んだノビルの大きさ比べや「とし」が捕獲してあったドジョウ、カラスガイをみんなで見たりした。
もうちょっと暖かだと申し分なかったのだが、それでもまずまず楽しい第1回「野遊び道場」を無事終了した。
3月観察会/船橋市・海老川源流部を訪ねて
快晴の3月27日、新京成線の滝不動駅から観察会はスタート。この冬は思いのほか寒かったようで、昨年に比べ、芽吹きも花も遅れている。まずは御滝不動・金蔵寺を通り抜けつつ、ツバキやトウカエデ、コブシなどを見る。昨年は咲いていた枝垂れ桜はまだ蕾だった。畑を通り抜けて、日大グラウンドへ。このあたりの地形がアップダウンに富んでいて、変化があり、さらに鎌ヶ谷市が飛び地となっていたり、面白い。谷津からの清水が流れる金杉川はホタルも生息すると言う。
金杉自然の森へ向かう谷津の縁にコブシが咲き始めている。
咲き出したコブシをバックに・・・・
里山を歩く クワの古木に驚き
金杉自然の森で樹木観察。雑木林の芽吹きは樹種によって新芽の色が異なり、複雑な色合いを見せて美しいが、その楽しみはまだこれからのようだ。神明社のヤブツバキは見事な花盛り。
午後、ちょっと回り道をして立ち寄った秋葉神社にはスダジイ、アカガシ、タブノキなどが茂る鎮守の森。おとなりにある高根寺には、芯が朽ち果てたスダジイの古木がしかし、頑張って生き続けていた。なんだか勇気づけられる感じ。
夏目緑地のゴマギを観察して、長津川親水公園へ。オナガが水を飲み、カワセミもやってきて、最後の大サービス!!というわけで、東武線・塚田駅から帰途についた。
下記の「表の家」さんHPにくわしいレポートがあります。御参照下さい。
表の家HP松戸行脚
2月の観察会/松戸〜市川の樹林めぐり
2月27日の定例観察会は、地元中の地元、松戸から市川にかけて点在する緑地をたどりました。
コース:松戸駅→千葉大園芸学部→→北国分4丁目の林→堀之内貝塚→小塚山→ジュンサイ池→国府台4丁目の林→里見公園→江戸川
この日は天気もよく、観察会日和。町中を流れる坂川にダイサギ、カルガモ、バン、カワウがいる光景。この自然度の高さは大いに誇って良いのではないだろうか? 常磐線を越える陸橋からは雪に輝く富士山がよく見えた。千葉大園芸学部には大きなクスノキが多く、またスダジイも葉を茂らせて、離れ島のような浅間神社と共に松戸の貴重な緑地となっている。
松戸市から市川市へ入って、北国分に点々と残る保全林はいずれも面積的にはわずかだが、かつてのこの地域の自然の面影を残している・・・はずが、どうも近隣との折り合いに苦労している模様(過剰な手入れや枝の伐採など、樹木受難の光景も)。
堀之内貝塚では、クヌギ、コナラ、イヌザクラ、ハリエンジュ、ゴマギ、ツルマサキなどいろいろな樹木を見られるが、ここからは外環道の建設が進む状況と周辺が一変していく様子も残念ながら伺える。
これがツルマサキ
外環道で小塚山の樹木の大半が移転させられることになったようだ。しかし、大木などはたして移植してうまく根づくのだろうか?形だけの保全で、結局枯らすことになるのでは・・・と危惧される。そんなにしてまで外環道建設にどれほどの必要性があるのだろうか?とあらためて疑問を感じつつ、ジュンサイ池へ。
愛宕神社の大イチョウ、対になって頑張っている
ここで昼食。池に来るヒドリガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロなどにエサをやる人多数。でも、野生の彼らをペット感覚で見るのはどうか???と思わざるを得ないなぁ・・・。
午後は国府台4丁目の林(ふれあいの森)を通り、江戸川脇の旧坂川河口部を見渡せる場所でここの保全の経緯を説明。里見公園から筑波大付属ろう学校の脇を通って、真間山下で、予定時間より早めの解散となった。この日はあいにく風邪をひいていて声のよく出ないために、「とし」の説明が聞こえづらかったり、さらに説明を端折ったりして御迷惑をおかけしてしまったのでした。体調管理は大切だと痛感した次第。ご参加の皆さまにお詫びいたします。
鮎が結ぶ海と森
東京湾・江戸川・利根川アユ・フォーラム
2月26日(土)午後1時30分より市川市にある千葉県立現代産業科学館で行なわれた鮎フォーラムに参加してみた。市川市民でありながら、この現代産業科学館を訪ねるのは初めて。図書館を含む情報センターと隣り合って、なかなかに立派な空間ではあるようです・・・・。
今回のフォーラムは「三番瀬、盤洲干潟展」の一環として行なわれるもので、会場はプラネタリウムも上映できるドーム型のホール。客席がかなり急傾斜に設計されていて、講演者はすり鉢の底にいる感じ。
まず、江戸川で稚アユ漁を長年行なってきた奥木さんに取材したスライドショウで、アユについて、稚アユ漁について、基本的な知識を得てから、西大芦漁協の組合長・石原政男さん、東京都水産試験場の小泉正行さん、江戸川の自然環境を考える会の「とし」のパネラー3名、コーディネーターは市川緑の市民フォーラム代表の佐野郷美さんによるトークショウが始まった。
それぞれに、堰などによってアユが上れない現在の川をどうやって、魚の回遊できる川にしていくか、そのための新しい川づくりについて、熱く語ったのでした。特に栃木県鹿沼市からこのフォーラムにかけつけた石原さんは、アユを中心に入漁料を釣り人から集める組合長として、放流ではない天然アユの遡上を強く願っておられた。アユは宝だ。それが堰によって川を上れないということは、いわば「宝の持ち腐れ」、ぜひ、上流まで天然アユが上ってこられるようになってほしい・・・と思いを訴えられた。
現実には川を上れないアユは堰の下にたまり、それを釣る釣り人も多い。これまで漁業組合員以外に稚アユを捕ることは法律的に禁じられていると積極的に伝えてこなかった関係者の怠慢もないわけではないが、当然の権利のように主張する釣り人にもちょっとどうか?と思ってしまったり。そもそも釣り自体「自然の恵み
のお裾分け」をいただくものであって、当然の権利などと主張できるものじゃないだろうに・・・。どうも、バス釣りを含め、やたら権利を主張する釣り人には好感がもてませんな。
これから、川は人間だけのものではない、たくさんの魚や水生生物や鳥も自由に行き来できる姿を取り戻すための努力をしたい。海も山からの栄養分を得て豊かさを保てることをきちんと理解して、海と森をつなぐ川にもっともっと関心を持とうと呼び掛けて終りました。非常に中身の濃いフォーラムだったと思ったのですが、参加者のみなさん、いかがでしたか?
極寒の観察会/坂田ヶ池と風土記の丘
05年最初の観察会は、曇り空で寒いという冬を実感できる天候にもかかわらず、40名を越える参加者が成田線・下総松崎(まんざき)駅に集まった。江戸川の自然環境を考える会でははじめての「坂田ヶ池と風土記の丘」を訪ねます。歩き始めた途端に、雨というよりみぞれ状のものが降り出し、「参ったなぁ・・・」と思ったが、幸いかろうじて踏み止まってくれて、雨にも雪にもならなかったのは幸いだった。印旗沼にも近いこのあたりは数多くの古墳が点在するという歴史的にも注目される場所。
岩屋古墳は一辺が約32メートル、高さ6メートルの方墳。T字横長の石室を持つ。時代は七世紀の後半と推定され、龍角寺古墳群と同一である。ここで、「とし」の説明があり、木下貝層と一体化した石室を覗き込んだりする。
「坂田ヶ池」にはカモ類が集まっている。ホシハジロ、マガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、コガモなどにまじって、ミコアイサ♂1羽と♀3羽を発見。特にミコアイサの♂は白い体に眼の周りが黒く、別名パンダガモと呼ばれているきれいなカモ。めったに見られないだけに非常にラッキーでした。
「坂田ヶ池」に隣り合う台地上にひろがる「風土記の丘」には平野家、御子神家の古い民家が移築されて、当時の生活様式を偲ぶことができる。旧学習院初等科正堂も移築され、雰囲気のある建物を背景に記念写真も撮影した。
風土記の丘には、大小様々な古墳が点在し、その間には手入れの行き届いた雑木林が広がる。かつて、農閑期の林の手入れとして冬に一度、下草刈を行い、それらを燃料としたものだったが、現在では放置されることも多いだけに、ここではいにしえの武蔵野の面影を見ることができる。また。この林越しに、印旗沼を見渡すこともできる。
すっかり葉を落とした冬の林も風情があるが、新緑や紅葉と季節を変えても、楽しめることでしょう。樹種も多いので、樹木を学ぶにも格好の場所と言える。いつもよりコースとしては短いものでしたが、野鳥や樹木をいろいろ見たり、寒さを体感したりとなかなかに味わい深い観察会でした。